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 カテゴリー : 一般, 法律

債務整理Q&A(その2)

 

Q8.債務整理をすると勤務先を解雇されることはありますか?

 債務整理をしたことだけを理由として、勤務先を解雇されることは通常ありません。

 

 なお、自己破産の手続中は、警備員、保険募集人など、一部の資格や職業に一時的な制限が生じることがあります。通常は免責許可決定が確定して復権すれば制限も解消されますが、該当する職業に就いている方は、自己破産以外の方法も含めて事前に弁護士へ相談することが重要です。

 

 任意整理の場合と個人再生手続をとる場合は、上記のような資格制限はありません。

 

 

Q9. 債務整理をすると戸籍や住民票に載りますか?官報から周囲に知られますか?

 債務整理をしても、その事実が戸籍や住民票に記載されることはありません。

 家族その他の関係者が戸籍謄本や住民票の写しを取得しても、債務整理をした事実を知られることはありません。

 ただし、自己破産や個人再生を申し立てると、手続上、氏名や住所などが国の機関紙である「官報」に掲載されます。

 

 官報は誰でも閲覧できますが、一般の方が日常的に官報を確認することはほとんどありません。

 そのため、官報に掲載されたことをきっかけとして、家族、知人、勤務先などに自己破産や個人再生を知られるケースは通常多くないと考えられます。

 

 

 一方、任意整理は裁判所を通さず、債権者との私的な交渉によって返済条件を見直す手続です。そのため、任意整理をした事実が官報に掲載されることはありません。

 

 

 

Q10.債務整理をすると「ブラックリスト」に載りますか?

 債務整理をすると、一般に「ブラックリストに載った」といわれることがあります。

 実際には「ブラックリスト」という名称の名簿が存在するわけではありません。

 債務整理や長期延滞などの情報が信用情報機関に登録された状態を、便宜上そのように呼んでいます。

 

 主な信用情報機関には、次の3つがあります。

  CIC:主にクレジットカード会社や信販会社などが加盟
  JICC:主に消費者金融会社やクレジット会社などが加盟
  全国銀行個人信用情報センター(KSC)

     :主に銀行、信用金庫、銀行系カード会社などが加盟

 

 信用情報機関には、氏名や生年月日などの本人情報に加え、ローンやクレジットカードの契約内容、借入残高、返済状況、延滞、代位弁済、債務整理などに関する情報が登録されます。

 

 金融機関やクレジットカード会社は、新たな申込みを受けた際、申込者の返済能力を判断するために信用情報を照会します。そのため、債務整理に関する情報が登録されている間は、新たな借入れやクレジット契約の審査に通りにくくなります。

 

 なお、借金を延滞している場合は、債務整理を始める前からその情報が登録されていることもあります。ですから「債務整理をしなければ信用情報に影響しない」とはいえない点に注意が必要です。

 

 

Q11.「ブラックリスト」に載ると、何ができなくなりますか?

 信用情報に債務整理や長期延滞などの情報が登録されると、一定期間、新たな借入れやクレジット契約の審査に通りにくくなります。

 

 具体的には、次のような契約に影響する可能性があります。

  ・クレジットカードの新規作成や更新
  ・カードローンやキャッシング
  ・住宅ローンや自動車ローン
  ・スマートフォンや家電製品などの分割購入
  ・他人のローンや奨学金の保証人になること

 

  現在使用しているクレジットカードについても、債務整理の対象にすれば通常は利用できなくなります。対象から外したカードであっても、カード会社による途上与信や更新時の審査によって、利用停止や更新拒否となる可能性があります。

 

 もっとも、信用情報に登録されたからといって、日常生活に必要なすべての決済手段が使えなくなるわけではありません。現金払い、銀行振込み、デビットカード、チャージ式のプリペイドカードなどは、原則として利用できます。

 

 

Q12.債務整理後、クレジットカードを作れない期間は何年ですか?

 一般的には、債務整理後、おおむね5年間は、クレジットカードの新規作成や更新が難しくなるといわれています。

 ただし、これは『5年経てばクレジットカードが作ることが必ずできるようになる』といったものではありません。

 そもそも「いつから5年なのか」も必ずしも明確ではありません。

 「弁護士に債務整理を依頼した日から必ず5年間」という単純な計算できまるものではなく、信用情報の種類や登録期間は、信用情報機関によって異なり、契約終了、完済、代位弁済、免責確定などの時期によって、情報が削除される時期も変わる可能性があります。

(破産の場合は、免責許可決定の確定日は明確ですので、起算点もはっきりしますが、任意整理の場合などは、合意時期や支払い完了が明確ではないことから、起算点がはっきりせず長期間経っても信用情報が削除されないことはあり得ます。)

 

 CICやJICCでは、契約内容や返済状況などの情報が、契約期間中および契約終了後から一定期間登録されます。全国銀行個人信用情報センターでは、取引情報のほか、自己破産や個人再生に関する官報情報が、決定日から最長7年間登録される場合があります。

 

 また、信用情報機関の登録が削除されても、クレジットカードの発行が保証されるわけではありません。カード会社は、申込時の収入、勤務状況、他の借入れ、過去の取引履歴などを踏まえて独自に審査します。

 

 自分の信用情報が現在どのように登録されているかを知りたい場合は、各信用情報機関に本人開示を申し込むことで確認できます。

 

 

Q13.債務整理後、銀行口座は使えますか。また新しく口座を作ることはできますか?

 債務整理をしても、原則として銀行口座は引き続き利用できます。預金の引出しや振込み、給与・年金の受取り、公共料金の口座振替などが一律に禁止されるわけではありません。

 ただし、借入れのある銀行を債務整理の対象にする場合には注意が必要です。その銀行が債務整理の開始を把握すると、口座を一時的に凍結し、口座内の預金と借入金を相殺することがあります。

 特に、借入先の銀行口座を給与や年金の受取口座として利用している場合、入金された給与や年金をすぐに引き出せなくなるおそれがあります。債務整理を始める前に、受取口座を借入れのない別の金融機関へ変更すべきか、弁護士に確認しておくことが重要です。

 

 また、借金の返済用口座については、債務整理を依頼した後も自動引落しが実行されることがあります。受任通知を送付すれば必ず直ちに引落しが止まるとは限らないため、残高や口座振替の状況についても事前に確認する必要があります。

 

 なお、借入れのない銀行の口座まで、債務整理を理由として一律に凍結されるわけではありません。このあたりの取扱は銀行毎に異なるようです。

 

 債務整理(自己破産、個人再生手続)をしたからといって、銀行口座を新たに作れなくなることは原則としてありません。

 任意整理の場合も同様です。ただ、従前債権者であった銀行に新たな口座を作ることは特に任意整理の場合は避けた方が無難です。

 

 

Q14.債務整理をすると携帯電話は使えなくなりませんか?端末代金の分割払いが残っている場合はどうなりますか?

 債務整理をしただけで、携帯電話やスマートフォンが直ちに使えなくなるわけではありません。

 通信料金を滞納しておらず、端末代金も支払済みであれば、通常はそのまま利用できます。また、端末代金の分割払いが残っていても、債務整理をすること自体は可能です。

 

 ただし、次のような場合には、回線契約や端末の利用に影響が生じる可能性があります。

 ・通信料金を滞納している
 ・端末代金の分割払いを滞納している
 ・通信料金や端末代金を債務整理の対象にする
 ・携帯電話会社との契約上、端末の所有権が会社側に留保されている

 

 通信料金を滞納している場合には、回線が利用停止または契約解除となる可能性があります。端末代金を債務整理の対象にした場合には、契約内容によって端末の返却を求められることもあります。

 任意整理では、携帯電話会社や端末代金の債権者を手続の対象から外し、契約どおりの支払いを続けることで、利用を継続できる場合があります。

 

 一方、自己破産や個人再生では、原則としてすべての債権者を申告しなければなりません。端末代金を滞納しているにもかかわらず、その債権者にだけ優先して支払うと、偏頗弁済として手続上問題になる可能性があります。そのため、キャリア変更を余儀なくされることもあります。

 

 また、債務整理後も通信回線の契約が一律に禁止されるわけではありませんが、信用情報に事故情報が登録されている間は、新しい端末の分割購入の審査に通りにくくなります。その場合は、端末を一括払いで購入する、中古端末を利用する、現在の端末を継続して使用するなどの方法が考えられます。

 

 携帯電話は仕事や日常生活に欠かせないことも多いため、自己判断で端末代金だけを返済したり、契約を変更したりするのは避けましょう。通信料金の滞納の有無、端末代金の残額、回線と端末代金の契約先などを弁護士へ正確に伝えることが大切です。

 

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