「給与ファクタリング」などと称する、新手のヤミ金があるらしい。
https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html#02
金融庁によると、労働者が使用者に対して有する賃金債権を
買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の
回収を行うというものである。
一般に「ファクタリング」とは、
事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して
買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)である。
これと同様の手法を給与債権を対象としておこなっている
訳である。
一見法的には単なる債権の譲り受けであり、
労働者に対する貸付には当たらないと考えられそうである。
しかしながら、労働基準法では、
労働者が賃金債権を譲渡した場合でも、
使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、
賃金債権の譲受人は、自ら使用者(労働者の勤務先等)に対して
その支払を求めることは許されないと解されている。
そのため、給与ファクタリングにおいては、
賃金債権の譲受人は、常に労働者に対してその支払を求めることになる。
その結果、給与ファクタリングでは、
譲受人から労働者への金銭の交付だけでなく、
譲受人による労働者からの資金の回収を含めた
資金移転のシステムが構築されているということができ、
これは経済的に貸付けと同様の機能を有している。
したがって、給与ファクタリングを業として行うものは、
貸金業に該当すると考える。
(以上は金融庁ホームページから)
さらに給与債権を譲渡するに当たり、「手数料」なる名目で
業者は買取金額から差し引く。
たとえば
20万円の給与債権を4万円の手数料を差し引いて
買取、16万円を交付するわけであるが、後日
労働者は給与支払いがなされた際に20万円を業者に
支払わなければならないこととなる。
この場合、仮に給料日から20日前にこのような譲渡をおこなったとすれば
その年率は
(40000/20×365)/160000=4.5625
となり、450%もの超高金利での利払いを余儀なくされることとなるが、もちろんこれは
出資法の上限金利を超える違法なものである。
したがって、このような「給与ファクタリング」などと称する業者
を決して利用してはならない。
仮に給料日まで生活資金がないというのであれば
行政の窓口へ相談すべきである。