日経新聞その他の記事で
「婚姻費請求権「消滅せず」 申し立て後に離婚でも」
という最高裁の決定がでたので、ここでも紹介しておく。
要するに、
「婚姻期間中に,婚姻費用分担請求がなされ、
それが確定せずに、その後離婚が成立したとしても
婚姻期間中の費用請求権は失われない」
と言う判断がなされたものである。
普通に考えると、婚姻期間中に配偶者の一方が他方に対して
生活費その他の婚姻費用を請求できるのは当然であるところ
離婚をしてしまったときにはその請求権が失われると言うのは
常識的にみて、おかしいように思える。
従って、この最高裁の判断は妥当と言うべきであろう。
ただ、今回の判断は、
「婚姻費用の分担を申し立てている間に離婚しても、
離婚前の婚姻費用の請求権まで消滅する理由はない」
と言うもののようである(弁護士ドットコムの記事による。)。
したがって、
「離婚成立までに、婚姻費用の請求がなされていない場合に
離婚成立後、婚姻費用の未払を理由にその請求権が
消滅しないのか」
は、なお判断が分かれるのではないか。
離婚成立までに,婚姻費用分担の調整まで申し立てなければ
ならないのか、それとも単に調停外で費用請求をすれば足りるのか
と言った点も含めて、問題は残っているように思われる。