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 カテゴリー : 一般, 法律

令和8年6月5日最高裁判決で注目される「不貞相手への慰謝料請求」の整理

  令和8年6月5日、最高裁判所は、不貞行為の相手方に対する慰謝料請求に関する重要な判決を言い渡しました。この判決は、不貞相手が「夫婦関係はすでに破綻している」と信じていた場合の責任について最高裁が明確な判断を示したものであり、今後の実務にも大きな影響を与えるものと考えられます。

  そこで今回は、不貞相手に対する慰謝料請求について、これまでの最高裁判例を踏まえながら整理してみたいと思います。

 

1 不貞相手に対する慰謝料請求には2種類ある

  配偶者が不貞行為をした場合、他方配偶者は不貞相手に対して慰謝料を請求できる場合があります。

  もっとも、「慰謝料請求」と一言でいっても、その内容は次の二つに区別されます。

  ① 不貞行為そのものによる慰謝料(不貞慰謝料)
  ② 不貞行為によって離婚に至ったことによる慰謝料(離婚慰謝料)

 この二つは請求の根拠(請求原因)が異なることを明確に示したのが、最高裁平成31年2月19日判決です。

 そのため、それぞれについて別々に考える必要があります。

 

2 不貞慰謝料について
(1)婚姻関係が既に破綻していた場合

    最高裁平成8年3月26日判決は、

    婚姻関係が既に破綻した後に一方配偶者と肉体関係を持った者に対しては、他方配偶者は不貞慰謝料を請求することはできない

   と判示しています。

    つまり、不貞行為の時点で婚姻関係が既に破綻していたのであれば、原則として不法行為は成立しないという考え方です。

(2)令和8年6月5日判決が示した新たな判断

   今回の令和8年6月5日最高裁判決では、さらに重要な判断が示されました。

   すなわち、

   実際には婚姻関係が破綻していなかったとしても、不貞相手が「既に婚姻関係は破綻している」と信じ、しかもそのように信じることについて相当の理由があった場合には、不貞相手には過失が認められない。

   というものです。

    この点について最高裁がここまで明確に判示したのは、本判決が初めてと考えられます。

(3)不貞慰謝料が認められるための要件

    以上の判例を踏まえると、不貞慰謝料が認められるためには、少なくとも次の点が問題となります。

    ・不貞行為の時点で婚姻関係が破綻していなかったこと
    ・不貞相手が「婚姻関係は既に破綻している」と信じておらず、又はそのように信じることについて相当の理由がなかったこと

   なお、この「婚姻関係が破綻していると信じ、かつ、そのように信じるについて相当の理由があった」という事情は、不貞相手側の抗弁に当たるため、主張・立証責任は相手方にあると解されます。

 

3 離婚慰謝料について

   一方、不貞行為によって最終的に離婚に至った場合であっても、当然に不貞相手へ離婚慰謝料を請求できるわけではありません。

   最高裁平成31年2月19日判決は、

  ・不貞相手に対して、単に不貞行為があったというだけでは、離婚に伴う慰謝料を請求することはできない。
  ・もっとも、不貞相手が夫婦を離婚させる意図をもって婚姻関係に不当に干渉するなど、離婚を招いたと評価できる特段の事情がある場合には、例外的に離婚慰謝料が認められる余地がある。

  と判示しています。

   つまり、不貞慰謝料と離婚慰謝料とは全く別の請求であり、離婚慰謝料については、不貞相手による積極的な婚姻関係への介入など、通常以上の事情が必要になります。

 

4 まとめ

   これまでの最高裁判例を整理すると、不貞相手に対する慰謝料請求は次のようになります。

  ① 慰謝料請求は二種類ある

    不貞行為そのものに対する「不貞慰謝料」
    離婚に至ったことに対する「離婚慰謝料」

    両者は請求原因が異なり、それぞれ別個に判断されます。

  ② 不貞慰謝料について

    婚姻関係が既に破綻した後の肉体関係については、不貞慰謝料は認められません。また、実際には婚姻関係が破綻していなかったとしても、不貞相手が「既に婚姻関係は破綻している」と信じ、そのように信じることについて相当の理由があった場合には、不貞相手の過失は否定され、不貞慰謝料は認められないことになります。

  ③ 離婚慰謝料について

    離婚慰謝料は、不貞行為があっただけでは認められません。

    不貞相手が離婚を意図して婚姻関係へ不当に介入したなど、離婚を招いたと評価できる特段の事情がある場合に限って、例外的に認められます。

 

 令和8年6月5日最高裁判決は、不貞相手の「過失」の判断基準を明確に示した点で重要な意義を有します。今後は、不貞相手が「夫婦関係は既に破綻している」と信じた経緯や、その認識に合理的な根拠があったかが、これまで以上に重要な争点になるものと思われます。

 

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決済代行大手「全東信」が破産 なぜ負債1,100億円超にまで膨らんだのか

2026年7月、大阪市のクレジットカード決済代行会社「株式会社全東信(以下、「全東信」といいます。)」が大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けました。

負債総額は約1,151億円(当初報道では約1,259億円)に及び、2026年最大規模の企業倒産となっています。

本件は単なる一企業の経営破綻ではなく、「決済代行業」という業態が抱えるリスクを浮き彫りにした事件でもあります。

本ブログでは、全東信破産の背景、直接的な原因、そして加盟店・債権者への影響について解説します。


1 全東信破産の背景事情

(1)主な加盟店は飲食店、特に審査が難しい店舗も多かった

 全東信は、クレジットカード会社と加盟店との間に立つ「決済代行会社」です。

 加盟店は20万店を超え、一般飲食店を中心として、サービス業・物販業など幅広い業種と取引していました。

 なかでも、業界関係者からは、

  • 深夜営業の飲食店
  • バー・クラブなど風営法の規制を受ける店舗
  • 新規開業店舗
  • 一般のカード会社では加盟店審査が通りにくい店舗

などを積極的に受け入れていたことが指摘されています。もっとも、この点は公的資料ではなく業界関係者の証言等によるものであり、全加盟店の中心であったことまで確認されているわけではありません。

 このような加盟店は、

  • 売上の変動が大きい
  • 倒産・廃業リスクが高い
  • チャージバック(売上取消)の発生率が比較的高い

という特徴を持つため、決済代行会社としては相応のリスクを負うことになります。


(2)決済代行会社は「加盟店へ先に支払う」資金が必要

 決済代行業者とは、

「店舗とカード会社をつなぎ、キャッシュレス決済の処理と売上金の精算を代行する会社」

です。

 そして、全東信はその中でも「加盟店へ売上金を前倒しで支払う(早期決済)」ことを強みとした決済代行業者だったということです。

 例えば、

  • 飲食店がカード決済を受ける
  • 全東信が数日以内に店舗へ売上金を入金する
  • 後日カード会社から全東信へ入金される

という流れになります。

 加盟店にとっては資金繰りが楽になる一方で、決済代行会社には常に多額の運転資金が必要になります。


(3)決済代行以外の関連サービス展開(カード立替サービスが収益の中心)

 

 全東信は、

  • クレジットカード業務の受託
  • 加盟店管理
  • 決済端末の提供
  • 経営コンサルティング

なども行っていました。

 しかし、これらは主力事業ではなく、収益の中心はあくまで前述したような、カード売上の早期立替サービスを主力事業としていたのです。

 カードでの売上金は、実際に店舗に入金されるまで数週間程度かかるのが通常です。

 ところが、全東信は、

  • 本来の(カード会社からの)入金日を待たず、
  • 自社資金や借入金を使って、
  • 数日以内に加盟店へ売上金を立て替えて支払う

というサービスを提供していました。

 このため、飲食店などは資金繰りが楽になる一方、全東信は常に多額の運転資金を必要とし、金融機関からの借入れに大きく依存する経営構造となっていました。

 つまり、多額の借入金を利用して加盟店へ早期入金を続けるビジネスモデルであり、資金調達が滞れば事業全体が停止する構造となっていました。


2 破産の直接的な原因

(1)コロナ禍による業績悪化と金融負担

 2020年以降、新型コロナウイルスの影響で飲食店は営業時間短縮や休業を余儀なくされました。

加盟店の売上減少に伴い、全東信の取扱高や収益も大幅に減少し、多額の借入金だけが残る状態となりました。


(2)約20年に及ぶ粉飾決算疑惑

 破産申立書などによると、

  • 預金残高約170億円の水増し
  • 架空債権約154億円の計上
  • 加盟店への未払立替金約217億円を負債計上しない

などの手法によって、約20年間にわたり財務内容を実態より良く見せていた疑いがあります。

 帳簿上は純資産約24億円でしたが、実際には約605億円の債務超過だったとされています。

 つまり、

 コロナ禍で悪化した経営を、粉飾によって隠しながら資金調達を続けていたものの、最終的に資金繰りが限界に達した

という構図が浮かび上がっています。


(3)負債総額・債権者数 

 破産申立時点では、

  • 負債総額:約1,151億円
  • 債権者数:115名

とされています。なお、加盟店への未払金などを含めると負債額はさらに増加する可能性があると報じられています。


(4)債権者は金融機関が中心

 債権者の中心は、

  • 信用組合
  • 地方銀行
  • ノンバンク
  • リース会社

など63社の金融機関です。

 最大債権者は**近畿産業信用組合**で、債権額は約219億円と報じられています。金融機関向け借入総額は約1,130億円に達していました。


3 破産による加盟店・債権者への影響

(1)金融機関への影響

 最大の影響を受けるのは貸付を行っていた金融機関です。

 特に、

  • 近畿産業信用組合
  • 地方銀行
  • ノンバンク

などは、多額の貸付金の回収が困難となる可能性があります。

 もっとも、各金融機関の自己資本との比較では経営を直ちに揺るがす規模とは限らず、今後は貸倒引当金や回収状況が注目されます。


(2)加盟店への影響

 加盟店への影響はさらに深刻です。

 全東信を利用していた店舗では、

  • 売上金が未入金となる可能性
  • 決済サービスの突然停止
  • 新たな決済代行会社への切替え
  • 当面の資金繰り悪化

などが発生しています。

 特に個人経営の飲食店では、

「カードでは売上があるのに現金が入ってこない」

という事態に直面し、運転資金不足に陥るケースも懸念されています。日本飲食団体連合会も加盟店に対して注意喚起を行いました。


まとめ

 全東信の破産は、単に「コロナで経営が悪化した」というだけでは説明できません。

 背景には、

  • 審査が難しい加盟店も含めた積極的な加盟店拡大
  • 多額の資金を必要とする早期立替払いビジネス
  • コロナ禍による取扱高の減少
  • 約20年に及ぶとされる粉飾決算
  • 金融機関からの借入依存

といった複数の要因が重なっていました。

 決済代行会社は、キャッシュレス社会を支える重要なインフラですが、その事業は多額の資金調達と信用の上に成り立っています。本件は、信用が失われた瞬間に事業全体が立ち行かなくなるという、決済代行業の構造的なリスクを示した事例といえるでしょう。

 

(以上のブログ記事はチャットGPTとの質疑応答を参考にして作成しました。)

 カテゴリー : 一般, 法律

【GW(ゴールデンウィーク)の業務について】

GW(4月29日~5月5日)の営業予定は以下のとおりです。

 

4月29日(水) お休みをいただきます。

4月30日(木)、5月1日(金) 平常通り

5月2日(土)~5月4日(水) 11:00~16:00

5月5日(火)、5月6日(水) 11:00~18:00

 

また、上記にかかわらず、お電話やメールでのご連絡は基本的にいつでも対応可能です。

 

以上よろしくお願い申し上げます。

 カテゴリー : 一般, 法律

任意整理ができる場合・できない場合

 任意整理は、裁判所を利用せずに債権者と直接交渉し、

将来利息のカットや分割返済の条件を見直す手続です。

もっとも、すべてのケースに適しているわけではありません。

 

そこで、本ブログでは、任意整理に適している場合と、そうでない場合

を整理してみたいと思います。

 

 

1 任意整理に適している場合:どう言った事情が必要か
   まず、任意整理に適しているのは、一定の返済能力を前提に

  「無理のない分割返済の再設計」が可能なケースです。

 

 

 

  第1に、安定した継続収入があることが重要です。

 

   毎月一定の給与や事業収入があり、今後も収入が大きく減少する

  見込みがない場合には、分割返済の計画を現実的に立てることが

  できます。

    任意整理はあくまで返済を前提とする手続であるため、この点が

   最も重要な要素となります。

 

  第2に、元本(および合意時までの利息・損害金)の分割返済

  が可能であることが必要です。

  

  任意整理では通常、将来利息のカット(※)を前提に、元本を

  3年から5年程度(36回から60回)で返済していく内容

  で和解を行います。

   実務上は「60回で割り切れるかどうか」が一つの判断基準

   なります。
  (※)もっとも最近は大手の業者でも将来利息の加算を主張することも多くなってきております。

       そのことが長期分割での任意整理の合意を難しくしている原因ともなっていると思われます。

 

  第3に、借入総額及び債権者数が課題でないことも重要です。

 

   あくまで目安ですが、負債総額が年収の2分の1以上ある

   場合には、任意整理で対応するのは困難と考えられます。

  

    また、債権者数も多すぎると支払の管理に過大な負担が伴います。

   当職の経験からは、対象外の債権者を除いて5社程度が現実的かと

   思います。10社以上の場合はすべての債権者と合意を取り付ける

   のが困難だったり、合意後の履行に支障を来す可能性が高いと

   考えております。

   (当職の場合10社を超える任意整理はお断りしております)

 

  第4に、財産を維持したいというニーズがある場合にも任意整理しか

  選択肢がないことはあり得ます。

 

   自宅や自動車、事業用資産などを手放したくない場合や、自己破産

  を避けたい場合には、財産処分を伴わない任意整理のメリットが活きます。

 

   ただし、注意していただきたいのは、任意整理の可能性としては、

   上記第1から第3の点が前提であることも忘れてはならないでしょう。

 

  第5に、特定の債権者のみを整理したい場合にも任意整理は有効です。

 

   例えば、保証人が付いている債務を除外したり、住宅ローンや自動車

   ローンはこれまでどおり支払いを継続したいといった場合でも、個別に

   交渉対象を選択できる点が特徴です。

 

   ただし、特定の債権者といっても、同じ条件での借入業者の一部のみの

   任意整理(例えば、クレジットカードA社は任意整理の対象とするが,

   クレジットカードのB社は今後も利用したいので任意整理から外す、

   というようなもの)は、債権者間の公平を大きく害する可能性が

   ありますので、おすすめしません(そのような任意整理は弁護士会や

   司法書士会の基準から認められていませんし、当職もそのような

   任意整理の依頼はお断りしております。)。

 

 

2 任意整理に適していない場合
  これに対し、任意整理が適していないのは、そもそも返済を継続する

  ことが困難なケースです。

 

  第1に、返済原資がない場合です。

 

  生活費だけで収入がほぼ消えてしまい、毎月の余剰がほとんど確保

  できない状況では、分割返済の計画自体が成り立ちません。

  このような場合には、自己破産や個人再生といった法的手続を検討

  する必要があります。

 

  第2に、債務額が大きすぎる場合です。

 

  将来利息をカットしても、5年以内に完済することが現実的でない

  場合には、任意整理では対応しきれません。

 

  第3に、収入が不安定な場合も適していません。

 

  フリーランスなどで収入の変動が大きい場合や、失業リスクが高い場合

  には、長期の分割返済計画が途中で破綻するリスクが高くなります。

 

  第4に、滞納や延滞が常態化している場合です。

 

  すでに返済管理がうまくいっていない状態では、任意整理によって

  返済条件を緩和しても、再び支払いが滞る可能性が高いといえます。

 

  第5に、大幅な減額が必要な場合です。

 

  任意整理は基本的に元本を減額する手続ではないため、元本自体

  を圧縮しなければ返済が困難なケースには適しません。

  このような場合には、元本の減額が可能な個人再生の利用が検討されます。

 

 

3 まとめ
  任意整理は、「将来利息をカットしたうえで、現実的な範囲で返済を継続

  できるかどうか」によって適否が判断される手続です。

 

   したがって、安定収入と一定の返済余力が確保できる場合には

  有効な選択肢となりますが、返済自体が困難な場合には、他の法的

  手続を選択することが合理的です。

 

  なお、任意整理が可能と考えられる場合であっても

  自己破産や個人再生手続を選択することは問題ありませんので

   この点も考慮に入れて手続を考えていただけるとよろしいかと存じます。

 

 

 カテゴリー : 一般

任意整理のリスク等について

借金についてのご相談を受けた際、

任意整理を希望される方も多くおられます。

 

しかしながら任意整理をしても

途中で行き詰まることが極めて高いだろうと思われるケースが

かなり多く見られます。

 

中には、

ほかの事務所での任意整理に行き詰まり、

結局当職が自己破産を受任するといったケースも

あります。

 

そこで、今回は任意整理が行き詰まる理由や背景について

分析してみようと思います。

 

1 任意整理後に支払不能に陥る主な原因
(1)返済計画自体が無理のある内容
   ・将来利息カットを前提にしても、元本の分割額が高すぎる
   ・生活費の見積りが甘い(特に物価上昇・教育費・医療費)
   ・ボーナス払い前提など不確実性の高い計画

   → 任意整理は「柔軟に組める反面、法的なチェックが弱い」ため、

     支払っていくための見通しが甘い計画となりがちです。

 

(2)収入の不安定・減少
     まず、転職・失業といった状態の方は任意整理の原資が確保

    できない状況にあります。

 

     また、フリーランス・個人事業主の方の場合、売上減少や病気・

    家庭事情から計画通りの支払ができなくなるという状況に陥ること

    が多々あります。

 

     特に近年は「当初は払える見込みだったが、環境変化で破綻」

    というケースが増えています。

 

(3)任意整理の対象外債務の存在
    任意整理は、すべての債務を一括して解決するわけでは

   ありません。

 

    それ故、税金・社会保険料、家賃・住宅ローン、車のローン

  (所有権留保)など、任意整理の対象外とせざるを得ない場合

  があります。

    これらの債務の負担から、任意整理の履行に行き詰まることもあります。

 

(4)依頼時点で既に任意整理が不適切

     そして、任意整理が行き詰まる一番の原因なのは

    「そもそも任意整理が不適切な事案であるにもかかわらず無理に

    任意整理を試みる」

    ことにあると思います。

 

     具体的には、上記の(1)から(3)の事情のほか、
    ・債務額が大きすぎる(例:年収の数倍)
    ・長期分割でも完済見込みが乏しい
    ・既に延滞が深刻で交渉余地が少ない

 

   といった事情がある場合は、そもそも任意整理を試みることが不適切

   といわざるを得ません。

 

     これらの場合は、本来、自己破産や個人再生手続きを選択する

    のが妥当な事案です。

 

2 無理な任意整理を勧める専門家

(1)ところが、一部の専門家(弁護士や司法書士)は、上記のような

   任意整理が不適切なケースにおいても、任意整理を勧めようとする

   者がいます。

    こういった人(法律事務所、司法書士事務所・・・以下「法律事務所等」

   といいます)たちは、多重債務に陥って相談に来られる方に対して

 

   ・任意整理が可能かどうかといった分析、例えば十分な家計収支の分析

    をしていない。
   ・形式的に「分割案」を作成しているだけである。
   ・将来のリスク(収入変動等)の織り込みなどを検討しない。

   ・司法書士の場合、単体の債務が140万円を超える場合、任意整理

    を受けられないことから、その債務のみ除外して任意整理を勧めようとする

    者もいる。

 

  といったことがあります。

 

  このような問題のある法律事務所等は、無理に任意整理を勧めようとして、

  案件を受任するのです。

 

(2)さらに、任意整理を積極的に受任しようとする法律事務所等の中には、

   ・受任に当たって、資格のある者(弁護士や司法書士)自身がほとんど

    面談をせず、詳細な説明は事務員が行う。

   ・費用の説明が依頼者には理解が困難であるケースも見受けられる。

   ・債権者との合意過程を説明せず、合意後もその内容を報告しない

    (あるいは報告が不十分である)

   ・依頼者に支払を指示するが、その内訳がわかりにくい(法律事務所

    への費用の支払いなのか、債権者への弁済なのかが不明瞭である)

    といったケースが多々見受けられます。

 

    こういった法律事務所等は、往々にして高額の着手金や報酬を

  取り決めがちであり、結局、依頼者が加重な支払に耐えきれず、支払

  が滞ると任意整理案の再交渉、自己破産への切り替えなどを検討する

  ことなく、辞任をして解決を放棄することがあります。

 

(3)こういったケースは多々あることから、日弁連や司法書士会も債務整理

   の際のルール作りを勧めておりますが、これらのルールを遵守していない

  法律事務所もまだ多くあるように思われることや、これらのルール自体も、

  まだまだ多重債務に苦しむ方にとって不十分であるとの批判もあるようです。

 

   日本弁護士連合会:

   債務整理の弁護士報酬のルールについて

    https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html

   日本司法書士会連合会:

   債務整理事件の処理に関する指針の制定について(会長談話)

      https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/statement_list/post_1/

 

3 いずれにしても、借金問題の解決の一つの手段として、裁判所の介入を

  経ない「任意整理」が有効に機能するためには、債務整理が可能な状況

  の方に、適切な形で債務の整理案を策定・提案することが必要です。

 

   依頼者の方に自身の状況を正確に認識してもらった上で、適切な

  債務整理の方法(任意整理だけではなく、自己破産や個人再生も含めて)

  を提示できる専門家に依頼するためには、上記のような点にご留意いただく

  必要があると思います。

 

 

 

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債務整理ほっとラインへの掲載

当事務所は、「債務整理相談弁護士ほっとライン」にも掲載しております。

 

▼掲載サイト
債務整理相談弁護士ほっとライン

<https://saimubengo-line.com/>
<https://souzokubengo-line.com/>

 

▼掲載中ページ
債務整理相談弁護士ほっとライン掲載中ページ

<https://saimubengo-line.com/office/office-10484/>

 

債務整理や自己破産をお考えの方は、

こちらのサイトもご参照いただけますと幸いです。

 

 

 

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サーバーレンタルのクリアースカイ:預託等取引に関する法律違反か?

高利回りを謳ったサーバーレンタルのクリアースカイ(京都)が

債権者から破産を申し立てられる
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9dcd55402565275ff2e170677f666c9cf23a074

 

昨日上記のニュースが配信されていたので、これに関して

分析を試みたいと思います。
(ただし、報道された範囲内で得られた情報に基づくもの

であることにご留意ください。)

 

1 報道によれば、合同会社クリアースカイ(以下「クリアースカイ」と

  いう)の仕組み(スキーム)は以下のようなものだったとされています。

 ・サーバーを購入させる
 ・そのサーバーを事業者が預かりレンタル運用する。
  「3か月後に10%利益を付けて買い戻す」などと約束している。

 さらに、
 ・実際のレンタル実績が確認できない
 ・代表者が失踪し支払停止
 といった事情も指摘されています。

 

2 販売預託(レンタルオーナー商法)の典型構造
   さて、上記のような仕組みがいわゆる「販売預託商法」というもの

  に該当するかです。

 

  「販売預託商法」とは、
  ・商品を販売
  ・その商品を業者が預かる
  ・第三者に貸して利益を出すと説明:利益配当・元本保証をうたう
  という形態です。

 

  その形態からは
  ・購入者は現物を実際に確認できない
  ・実際には運用実態がないことも多い
  ・配当は後続出資者の資金で賄われる場合がある
  といった問題点が挙げられます。

 

3 預託法との関係(結論)
(1)本件に関連する法律として「預託等取引に関する法律(預託法)」

    という法律があります。

      この法律は従前からあった「特定商品等預託法」という法律を

     令和3年に大幅に改正したものです。

 

(2)預託法は、
  ・販売を伴う預託(販売預託)は原則禁止
  ・例外的に内閣府(消費者庁)が勧誘段階や契約締結時に

   締結予定の契約等の内容について確認を受けたもののみ

   これを認める。
  としています。

 

   従前から「現物まがい商法」として消費者被害が続発して

  きたことから、かかる商法は原則禁止としたもので、

  「販売預託は原則禁止」

  と注意喚起しています。

 

(3)本件スキームとの対応関係
   クリアースカイの構造を当てはめると:

     要素               該当性
   商品の販売          サーバー購入
   預託              事業者が保管・運用
   利益還元           10%利益で買戻し
   投資勧誘性          高利回りを強調
 

 ・・・というもので、典型的な販売預託の要件を満たす

    構造になっているように思われます。

 

(4)以上からすれば、クリアースカイの商法は、預託法に

   反する取引であった可能性が極めて高いように思われます。

 

4 さらに、本件は単なる預託法違反にとどまらず、
  ① 現物まがい商法(詐欺的性格)
    実在しない・運用実態のない資産への投資勧誘
    → 報道でも「現物まがい商法の疑い」と指摘がなされて

      いるようです。
  ② 出資法・金融規制の問題
    元本保証・高利回り
    → このようなことをうたっているとすれば出資法違反や金融商品

      取引法違反の可能性もあります。
  ③ 詐欺罪(刑事)
    さらに、初めから返済意思・能力がない場合には刑法上の詐欺罪

    にも該当する可能性もあります。

 

4 「現物まがい商法」との関係
   「サーバー」という一見実在しそうな資産

   しかし実際の運用実態が不明
  という点で、典型的な“現物まがい商法”のパターンに該当

  するように思われます。

 

5 実務的な評価(弁護士の視点)
  本件のようなスキームについては、実務上、次のように評価

  されるのが一般的です。

(1)まず、違法性の観点からは、預託等取引に関する法律との

   関係で極めて強い問題が認められます。すなわち、商品を販売

   した上でこれを事業者に預託し、運用益の分配や将来的な

   買戻しを約するという構造は、同法が原則として禁止する

   販売預託取引に該当する可能性が高く、少なくとも上記の

   確認を得ていないという点で違法性が強く推認されます。

 

(2)さらに、刑事法的評価としては、詐欺罪の成否が問題と

   なり得ます。この点については、当初から運用実態が存在

   しない、あるいは約定どおりの配当や買戻しを行う意思・能力

   がなかったと認められる場合には、欺罔行為が肯定され、

   詐欺罪の成立が認められる余地があります。

 

 

(3)次に、被害回復の観点からは、一般に極めて困難な類型

   に属します。
   すなわち、取引対象とされた「現物」が実在しない、あるいは

   形式的に存在しても実質的価値を有しないケースが少なくなく、

   加えて、集められた資金が早期に流出・費消されている場合

   が多いため、差押えや保全の対象となる財産が乏しいという

   問題があります。

 

   その結果、民事上の請求権が認められたとしても、現実の回収

   には大きな制約が伴うことになります。

   本件では債権者が破産申立を行ったということですが、それにより

   少しでも回収が図る手段として適切かと思われます。

   また、記事からは、代理店や紹介者が本件サーバーの販売等に

   関与していた様子がうかがわれます。このことからすれば、

   クリアースカイの経営陣だけでなく、そういったものに対しても責任追及

   が行われることが予想されます。

 

 以上のとおり、本件のようなスキームは、行政法規違反の問題にとどまらず、

 刑事責任の追及や大規模な消費者被害を伴う事案へと発展して

 いるようです。

 同種事案が今後も発生しないよう警戒を要する類型であるかと思われます。

 

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離婚について(その3:調停離婚・裁判離婚における弁護士の役割)

調停離婚・裁判離婚における弁護士の役割とは?

――結果を左右する「戦略」と「実務」の重要性

 

  離婚手続にはいくつかの種類がありますが、特に調停離婚や

裁判離婚においては、弁護士の関与が結果に大きな影響を与

えます。

  弁護士は単なる代理人ではなく、争点を整理した上で方針

を定め、交渉や立証を担う専門家として重要な役割を果たします。

 

本ブログでは、調停段階と裁判段階それぞれにおける

弁護士の役割を、実務の視点からわかりやすく解説します。

 

■ 調停離婚における弁護士の役割

  家庭裁判所で行われる調停は「話し合いの場」とされていますが、

実際には法的交渉の場です。

  ここで適切な主張をすることで、結果は大きく変わることがあります。

 

  ① 法的主張の構築と証拠整理

    弁護士は、以下のような主要論点について、法的基準に

    沿った主張を組み立てます。

    ・財産分与
    ・慰謝料
    ・養育費

   さらに、通帳・不動産資料・収入資料などの証拠を整理し、

   適切な形で提出します。単に「言い分を伝える」だけではなく、

   「証拠に基づいて説得する」ことが重要です。

 

  ② 調停委員への伝え方の最適化

    調停では当事者同士が直接やり取りするのではなく、

    調停委員を介して進行します。そのため、

    ・感情的な主張を法的に整理する
    ・誤解や不利なニュアンスを避ける

   といった「伝え方」が極めて重要です。弁護士が関与することで、

   主張の説得力は大きく向上します。

 

  ③ 現実的な解決案と条項設計

    弁護士は、裁判例や実務相場を踏まえ、

    ・譲るべき点
    ・譲れない点

   を明確にし、現実的な解決案を提示します。

    また、合意内容は調停調書として法的効力(強制執行力)

   を持つため、

    ・曖昧な表現を排除する
    ・将来の紛争を防ぐ

   といった条項設計も非常に重要な役割です。

 

 

■ 裁判離婚における弁護士の役割

   調停が不成立となり裁判に移行すると、弁護士の役割はさらに

  専門的かつ決定的になります。

  ① 訴訟戦略の立案

    裁判では、

    ・離婚原因の有無
    ・請求内容の構成
    ・主張の展開順序

   といった点を考慮することになります。その中でどういった主張を

   どのタイミングで出すかも重要となる場合があります。

 

  ② 書面作成と証拠提出のコントロール

    裁判は書面中心で進みます。

    ・訴状
    ・準備書面
    ・反論書面

    これらを法的に整合的に作成する能力が不可欠です。

    また、

    ・不貞行為の証拠
    ・別居状況
    ・収入・財産資料

    などについて、どの証拠がどの点の主張に対応するかを判断して

    整理することが極めて重要です。

 

  ③ 尋問対応と和解の見極め

    裁判の山場となるのが尋問です。

    ・本人尋問・証人尋問での質問設計
    ・不利な証言への対応
    ・裁判官への心証形成

    これらは専門的なスキルが求められます。

    さらに、裁判官の心証を見極めながら、適切なタイミングで

    和解を提案することも重要な役割です。

 

 

■ 弁護士に依頼するメリット

  弁護士を依頼することで、次のようなメリットがあります。

  ・法的に不利な結果の回避,軽減
  ・妥当な条件での解決の実現
  ・手続負担・精神的負担の軽減
  ・条項ミスや証拠不備による将来リスクの防止

 

■ 弁護士がいない場合のリスク

  一方で、弁護士が関与しない場合には、

  ・主張が不十分で不利な条件になる
  ・証拠提出のタイミングを誤る
  ・相手に弁護士が付いている場合に交渉力で劣る
  ・調停条項や判決内容に後悔が残る

  といったリスクがあります。

 

■ まとめ|早期相談が重要です

  調停離婚では「交渉と条項設計の専門家」として、
  裁判離婚では「訴訟代理人」として、
  弁護士は結果を大きく左右する存在です。

  実務的には、
  調停に入った段階で弁護士への相談・依頼を検討することが

  重要であり、 

  裁判に至った場合には、弁護士の関与はほぼ不可欠といえます。

 

  離婚問題は人生に大きな影響を及ぼす重要な問題です。
  適切なタイミングで専門家のサポートを受けることが、

  納得できる解決への近道となります。

 

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離婚について(その2:調停離婚と裁判離婚)

3月19日のブログで協議離婚について解説しました。これに続いて

今回は、調停離婚と裁判離婚(※)について解説します。

(※)家庭裁判所が扱う離婚の方法として、

   「調停に代わる審判」というものもありますが、

   ここでは省略します。

 

 

 

 

1 調停離婚

 

(1)調停離婚とは

 

   調停離婚とは、夫婦間の話し合いだけでは離婚やその条件について合意に

  至らない場合に、家庭裁判所において行われる調停手続を利用して離婚

  を成立させる方法です。

 

   この手続では、調停委員と呼ばれる第三者が間に入り、当事者双方の

  言い分を個別に聴きながら、合意形成に向けた調整を行います。そして、

  話し合いがまとまった場合には、その内容が「調停調書」として作成され、

  これにより離婚が成立します。

 

   なお、我が国では原則として、離婚の協議が整わない場合、いきなり

  離婚訴訟を提起することはできず、まず家庭裁判所へ調停を申し立てる

  必要があります(調停前置主義)

 

 

(2)調停離婚のメリット・デメリット

 

  ア  調停離婚のメリットとしては、まず第三者が関与することにより、感情的

   な対立が強い場合であっても比較的冷静に話し合いを進めることができる

   点が挙げられます。調停では、当事者同士が直接対面して激しく対立する

   場面を避けつつ、冷静な話し合いを進めることから解決を図ろうとするもの

   だからです。

 

    また、調停委員は一定の法的知識や経験を有している人が裁判所で

   選任されます。そのため、法的観点を踏まえた現実的な解決案が提示

   されることも多く、当事者だけでは気づきにくい落としどころを見出す助け

   となります。

 

     さらに、調停で合意に至った内容は調停調書として残され、この調書には

    確定判決と同様の効力が認められているため、例えば養育費の不払い

    が生じた場合には、強制執行を行うことも可能です。

     このように、協議離婚に比べて履行確保の点で優れているといえます。

 

  イ 調停離婚にはデメリットも存在します。
    まず、手続は一定の期間を要し、事案によっては数か月から1年以上かかる

   こともあります。

 

    また、期日は原則として平日に開かれるため、仕事などの都合を調整して

   裁判所に出向く必要があり(※)、当事者にとって負担となる場合があります。

   

    (※) この点は、WEBでの手続を裁判所が進めており、必ずしも期日に出席する必要がない

      扱いになりつつあります。ただ、弁護士が代理人につかない場合には当事者が裁判所へ

      出向く負担は当分の間変わらないと思われます。

 

 

    さらに、調停はあくまで合意による解決を目指す制度であるため、必ずしも

   自分の希望どおりの条件が実現するとは限らず、一定の譲歩が求められる

   ことも少なくありません。加えて、相手方が期日に出席しない、あるいは誠実

   に話し合いに応じない場合には、手続が円滑に進まないこともあります。

 

 

2 裁判離婚

 

(1)裁判による離婚の概要

 

    裁判離婚(判決離婚)は、調停でも合意に至らなかった場合に、最終的な

   手段として裁判所の判決によって離婚を成立させる方法です。離婚訴訟は、

   調停が不成立となった後に夫婦のどちらかが訴訟を提起することで開始します。

 

     これに対して、裁判所が証拠に基づいて事実関係を認定し、法的判断を

   下します。

     裁判による離婚の場合、民法第770条に定められた離婚原因のいずれか

   が認められる必要があります。

 

    具体的には、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、その他婚姻を

   継続し難い重大な事由などがこれに該当します。

 

    なお、離婚原因として以前は「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の

   見込みがないとき」もあげられていましたが、令和6年の改正で削除されました。

 

(2)裁判離婚のメリット・デメリット
    裁判離婚のメリットは、相手方が離婚に反対している場合であっても、法定

   の離婚原因が認められれば、判決によって強制的に離婚を成立させることが

   できる点にあります。

 

     また、財産分与や慰謝料、親権といった問題についても、裁判所が証拠に

   基づいて判断を示すため、法的に明確な結論が得られるという利点があります。

 

    しかしながら、その反面、裁判離婚は最も時間と費用がかかる手続であり、

   一般的には1年以上を要することも珍しくありません。さらに、訴訟では当事者

   が主張・立証を尽くす必要があるため、精神的負担も大きくなりがちです。

 

    また、公開の法廷で審理が行われることから、一定程度プライバシーが外部

   にさらされる可能性もあります。

 

    加えて、離婚原因の存在について証拠により立証しなければならず、証拠

   収集の成否が結論を大きく左右する点にも注意が必要です。

 

    なお、当事者双方が離婚自体に争いはないものの、親権や養育費、財産

   分与などの点で対立しており調停で合意が成立しなかった場合も裁判による

   離婚の対象となります(実際にはそういったケースの方が多いように思われます。)。

 

    その場合は、離婚とともに付随処分(要否句碑の支払要求や財産分与

   など)を訴訟提起に際して申し立てる必要があります。

 

   以上を踏まえると、離婚の方法は、当事者間で円満に合意できる場合には

  協議離婚、合意が難しいが話し合いの余地がある場合には調停離婚、それ

  でも解決に至らない場合には裁判離婚へと段階的に進んでいく構造となって

  います。

 

    それぞれの手続は、時間や費用、強制力の有無といった点で性質を異に

   しており、事案の内容や当事者の状況に応じて適切に選択することが重要です。

 

(このシリーズ次回は、「3 調停離婚や裁判離婚における弁護士の役割」についてアップします。)

 

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キャリア決済等の倒産手続の場面における適正化を求める意見書

電気通信事業者による、いわゆるキャリア決済等の倒産手続の場面における適正化を求める意見書

https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2026/260318.html

 

日弁連から上記の意見書が令和8年3月18日付で発表された。

 

  従来、携帯電話については、その携帯の通信による利用料金

(通信役務提供契約に基づいて発生する通信料金)と併せて、

同契約以外の契約に基づいて発生する端末機器の分割代金を

同時に決済する取扱いが行われてきた。

 

近年では、キャリア決済というサービスが広く普及している。これは、

携帯電話等の通信料金と合算して商品やサービスの代金を支払う

決済方法である。

 

このようなキャリア決済には法的規制が乏しいことから様々な問題

があるが、特に倒産手続に際して以下のような問題がある。

 

すなわち、

倒産(破産・個人再生など)手続を弁護士が受任した

際は、まず各債権者に受任通知を送付して

各債権に対する支払いを停止することとなる

(債権者もこれを受け入れる)。

 

一方で、携帯電話は生活インフラとして不可欠であるため、通信契約

維持のために通信料金の支払は必要となる。

 

したがって、

破産等の依頼者は、通信事業者に対しても通信料金を

除いた端末の分割代金およびキャリア決済分の債務の支払いを

停止することを求めつつ通信料金は続けて支払うという取り扱いを

希望することが多い。

 

ところが一部の通信事業者は、通信料金のみの支払を認めず、

キャリア決済債務等と一体での支払を求める。その結果、利用者は

通信契約の解約を恐れ、本来支払停止すべき債務の支払を

事実上強いられてしまう。

 

その結果、

本来破産のための費用準備に時間がかかってしまうことや、

支払停止後の偏頗弁済として免責不許可事由に該当することから

破産申立に際して余分な説明をしなければならない事態に至って

しまい、債務者にとって不利益が大きい。

 

そのような問題意識もあって、日弁連から上記の意見書が

発表されたものである。

 

その要旨であるが

1 通信事業者は、倒産手続を受任した弁護士から、

  「利用者が携帯電話の利用継続のために通信料金のみを

  支払い、端末代金やキャリア決済債務等は支払わない取扱い」

  求めた場合には、その分離した支払に応じるべきこと

 

2 通信事業者は、利用者が倒産手続開始決定を受けた場合に

  おいて、決定時以降もキャリア決済債務等の弁済を受領する

  取扱いを直ちに中止すること。

 

3 総務省は、上記のような通信事業者の取扱いが電気通信

  事業法上不適切であること等を明確にし、これを是正するため

  必要に応じて同法に基づき適切な措置を執ること。

というものである

(※)1のみ意見要旨の要約)

 

  当職も破産手続を受任した際に、通信事業者が上記の扱い

(特に1,2)を確約がないことから、携帯電話のキャリア変更を

アドバイスするのだが、それができない場合のキャリア決済分を支払って

しまうこともやむを得ないというアドバイスをしなければならないこともあった。

 

今回、日弁連が上記意見書を発表してくれたことで、

通信事業者が意見書にしたがった取り扱いを進めてくれることを

希望する。

 

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