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 カテゴリー : 法律

合体フィギュアと著作権

こんな記事が目についた。

 

“合体フィギュア”販売で49歳男を逮捕 約3,900万円荒稼ぎか

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190222-00042842-houdouk-soci

 

上記のサイトによると、

「許可なくアニメのキャラクターの頭部と、ほかの胴体を組み合わせたフィギュアを

製作して販売した疑いで、49歳の男が警察に逮捕された。」

ということだそうである。

 

ところで、著作権法には、

「許可なくアニメのキャラクターの頭部と、ほかの胴体を組み合わせたフィギュアを

製作して販売したことをを禁止する

とは書いていない。

 

おそらく、元のフィギュアは、自分が入手したものであろうが

それ自体(盗んだとか言うのでない限り)が

違法となるわけではない。

 

また、自分が入手したフィギュアをそのまま誰かに譲渡しても

これ自体が罪になるとも考えにくい。

(著作物の消尽:法26条の2第2項第1号)

 

 

そうすると、件の男性は、

自分が手に入れたフィギュアを加工して

これを販売したことが、問題となったと思われる。

 

おそらくこの場合は、著作権ではなく、

著作者人格権(同一性保持権)が問題となったものである。

 

すなわち、著作権法は、

著作権とは別に著作者人格権という権利も

保護しており、これを侵害した場合には

「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金」

に処せられる(併科もある)。

 

著作者人格権というのは、

著作権と異なり、著作者にのみ専属する

権利であって、譲渡ができない。

 

著作者人格権には「同一性保持権」というものが

ある(法20条1項)。

 

 

具体的には、無断で原著作物やその複製物を改変することは

できないとされているわけであって、本件においても

「アニメのキャラクターの頭部と、ほかの胴体を組み合わせたフィギュアを

製作」することが原著作者の無断でなされた場合には

著作者人格権の侵害と言うことになり、上記の罰則が

適用されたと言うことである。

 

おそらく、同一性保持権の侵害は「改変」がなされた場合に

成立するのであって「譲渡するか否か」は関係ないし

営利目的だったかどうかも必要ない。

 

こういったことを解説しないと、一体何が犯罪だったのかは

わからないだろう。

 

報道においても、著作権侵害については普通の人にはわかりにくいのだから

もう少し親切に報道すべきであろう。

 

 

 

 

 カテゴリー : 法律

不貞行為の相手方に対し、これを理由とする離婚に対する慰謝料は認められない

・・・という最高裁の判決が出た。

 (平成29(受)1456  損害賠償請求事件 平成31年2月19日  最高裁判所第三小法廷)

 

  わかりにくいかもしれないが、

  不貞行為が、他方の配偶者に対する不法行為を構成することが争われたわけではなく、

  「不貞行為があった結果、離婚に至ったこと」

  が、不貞行為の相手方の不法行為に当たるかが争われたものである。

 

  この点について、

  「夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者は,これにより当該夫婦の婚姻関係が

 破綻して離婚するに至ったとしても,当該夫婦の他方に対し,不貞行為を理由

 とする不法行為責任を負うべき場合があることはともかくとして,直ちに,当該夫婦を

 離婚させたことを理由とする不法行為責任を負うことはない」

 と判示した。

 

 その理由であるが、

 要するに、不貞行為があったとしても、最終的に離婚するかどうかは夫婦の間で

 決められるべき事柄であるから、という。

 

 確かに、不貞行為がなされる背景には様々なものがあって、

 離婚に至る場合であっても、これが直ちに原因とはならないからだ

 ということなのだろう。

 

 注意すべき点は2つある。

 

1 まず、この判決では、不貞行為が不法行為にならないと言ったわけではないし、また

  離婚に当たって配偶者相手の慰謝料請求が否定されるわけではない。

  この点は上記の判示からも普通に読み取れよう。

  だからゆめゆめ、不貞行為が解禁されたなどと考えてはいけない。

 

2 次に、「特段の事情のない限り」第三者には慰謝料請求が認められないと

 している点である。

  判決の事案では、離婚に至る以前に、不貞行為の関係は終わっていたというもの

 であって、離婚が継続している最中に離婚したものではない。

  もっともこの場合は、不貞行為自体の不法行為責任を追及すれば足りるし、不貞

 行為が終了していても、これを認識してから3年以内であれば、責任追及可能である。

  そうすると「特段の事情」とはどういった場合を指すのだろうか。

  私は、例えば、不貞行為の相手方と一緒に住むために、家を出て行って家庭を

 顧みないような状態に陥り、その結果、離婚を余儀なくされたような場合を指すのでは

 ないかと考えている。

  さすがにそういう場合は、まさに当該第三者が不貞行為のみならず、婚姻関係を不当に

 破壊したと評価できるのではないかと考えるからである。

 

・・・この判決が、今後の実務にどのような影響を与えるかは、離婚の相談などが

  来たときに是非研究してみたいものである。

 

 

 

 

 

 

 カテゴリー : 一般, 法律

りそな、70歳以上のATM振り込み制限 詐欺対策で

・・・だそうです。

  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24488340R11C17A2EE9000/

 

  確かに、いわゆる振込詐欺は跡を絶たないようで、高齢者がそのターゲットにされるケースが

  一向に減る様子がないと言うことでしょうか。

 

  銀行がATMからの引出制限を設けるというのは、一つの方策として

  やむを得ないものなのかも知れません。

 

 カテゴリー : 法律

NHKの受信契約の最高裁判決について

久しぶりにブログを更新します。

 

先日、NHKとの受信契約に関する最高裁判決(平成29年12月9日)がでましたので、

これについて書いてみたいと思います。

 

内容の解説はいろいろな方が書かれると思いますので、ここではその概要を

理解できるように述べてみます。

 

1 受信契約の強制の意味
  NHKからの受信契約の申込みに対して受信設備設置者が承諾をしない場合には、

  NHKがその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め、その判決の確定によって

  受信契約が成立する。

 

2 受信契約締結強制は憲法に違反しないか。
  受信契約の締結を強制する放送法64条1項の規定は、憲法(具体的には13条

  幸福追求の権利、21条表現の自由、29条財産権の保障)に違反しない。

 

3 受信契約を命じる判決の効果
   承諾の意思表示を命じる判決の確定により契約が成立した場合、受信設備の設置

  の月以降の分の受信料債権が発生する。すなわちNHKは受信設備の設置の月まで

  さかのぼって受信料を請求できる。

4 判決確定以前の受信料債権の時効起算点
  判決確定以前に生じた受信料債権についても、判決確定日から時効が進行する。

  すなわち、判決確定日から5年以上前の受信料についても、NHKは受信設備設

  置者に請求でき、設置者は時効を理由とした債務の消滅を主張できないと言うことになる。

 

 

以上の判決内容からすれば、テレビを購入した人は放送を受信することができるようになった

時点から、NHKとの契約を締結することを強制され、これに反したときは受信料を設置

時点までさかのぼって支払わなければならないことになります。

 

放送法などの経緯からすれば、かかる結論はやむを得ないのかも知れません。
ただ、インターネットでニュースや情報がいくらでも得られる現在、放送の公共性を理由に

受信料の負担してまで地上波等を視聴し続ける人たちがどのくらい残ってくるのか、あるい

は放送離れがどこまで進むのかと言った影響について、今後注視してみたいと思います。

 

 

 カテゴリー : 法律

架空請求への対応は慎重に

相変わらず架空請求や「振込め詐欺」の被害は後を絶たないようである。

 

文書による架空請求の場合、よく分からない公的機関らしき名称を用いて、

「放置すると、民事刑事等の責任追及をする」

旨の文言を並び立てて、法律に疎い人を心理的に追い込もうとすることが見受けられる。

 

これらの請求の「公的機関」は大概実在しないか、実在しても無関係であることがほとんどである。

 

だから、多くの場合、このような文書が来ても、無視するのが正解といえる。

 

ところが、どうもこのような架空請求であるにもかかわらず、

裁判所の手続を悪用して請求するという手口もあるようだ。

 

督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください

(法務省民事局)

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji68.html

 

実は、全く根拠のない請求であったとしても、裁判所で訴訟を提起することは可能である。

もちろん、根拠がなければ裁判所が訴えを認めることはないが、その場合でも訴えられた者が争うことが、原則必要である。

 

また、裁判所では金銭の支払請求については、申し立てた者の一方的な言い分で支払を命じる「督促手続」というものがある。

これも、きちんと争えば、架空請求に応じる必要はないが、そのためには裁判所へ異議を申し立てる必要がある。

 

要するに問題は、

たとえ架空請求であっても、裁判所における手続を利用してなされた場合には、

当該裁判所へきちんと争うための手続をとらなければならないのである。

 

ただ、その請求が「公的機関」を介してなされた体裁をとっている場合、本当の裁判所から来たものかどうかを法律に疎い素人には区別することは難しいのかも知れない。

 

したがって、上記ホームページにもあるように、

 

1 通知元が本当の裁判所かどうかを確認すること。

 >通知元へ直接確認するのではなく、HPや公的機関に問いあわせて確認すること。

 

2 本当の裁判所からの通知だった場合

 >当該裁判所へ連絡して、どのような手続をとらなければならないかは、弁護士に相談する

  等して、対応すること。

 

が必要である。

 

もちろん当事務所へも、そのような相談はうけている。

特に2の対応のアドバイスはもちろん、本当の裁判所からの通知かどうか分からないという場合も、お気軽に御相談頂ければよい。

 

まずは、このような請求が来てもあわてず、通知もとの確認等から、どのように対処するかを冷静に考えて頂きたいものである。

 

     弁護士尾崎博彦@尾崎法律事務所

 

 カテゴリー : 法律

貸衣装契約解約条項使用差止請求訴訟について(その2)

 KC’Sの主任弁護士として、

「貸衣装契約解約条項使用差止請求訴訟」

を提起したことをここに書いたが、

その内容について、続きを書かなければならないのに2週間もサボってしまっていた。

 

そこで続きを書こうと思う。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2 では、適格消費者団体であるKC’Sは今回、いかなる裁判を提起したのか?

(1)本件は、差止請求訴訟であり、損害賠償請求や代金の返還を

  求めるものではない。

   したがって、KC’Sはこの裁判に勝訴しても、一銭も入ってこないので

  ある。

  (このことは、こういった団体がお金儲けのためにやっているのではないか?

  と考える人が時々いるので、念のため申し上げておく。)

 

(2)では差止請求であるが、これは一般的には

  『権利を侵害される人が侵害行為その他を止めさせるために提起する訴訟』

  と考えていただけると良い。

   通常の場合、その行為がなされてしまっては、これによって権利を侵害された人

  の損害が回復困難になってしまう場合に認められるのであって、例えば、名誉毀損

  を理由に出版物の差止めを請求する場合などが挙げられる。

 

(3)一方KC’Sの差止の対象は、ある会社が消費者との間で契約に際して

  用いている 「契約条項」を使わないようにさせるものである。

   この点、KC’S自身が権利を侵害されたわけでも不利益を被ったわけでもない。

   しかし、契約上、消費者に一方的に不利益を課すような、不当な条項が使用

  されることで、国民生活全般に不利益が生じる可能性が高いわけであるところ、

  個々の消費者がこの点を訴訟において訴えるのは実際上困難であることから、

  適格消費者団体が契約条項全般について、消費者契約法その他の法律に反している

  ものについて、その使用を差し止めるための訴訟を提起する権限を与えられたのである。

 

3 今回の差止請求の対象は、

   貸衣装契約を、消費者の都合で解約する場合のキャンセル料の割合について

  それが不当に高額に過ぎるという点を問題にしたものである。

 

   本件の被告である貸衣装の会社は、以下のようにまとめられる貸衣装契約の契約条項を

  用いていた。

 

説明図(20150902・松尾)_01

   ところでこの条項で問題となったのは

 

    契約日~挙式日の30日前までのキャンセルについて、

  代金の30%のキャンセル料が課せられるとされている点である。

 

    これだけとらえると一件何が問題が分からないかも知れないが、

  「結婚式における貸衣装契約が挙式から1年以上も前になされる」

  ことも少なくないという実態を知っていると、理解しやすいと思う。

 

   すなわち、

    例えば、挙式日から35日前にキャンセルしたとすれば、30%のキャンセル料を取られることに

   (法律家はともかく)一般の消費者からは「しょうがない」と思われるかも知れない。

 

   しかし、この条項は、

    挙式日が1年6カ月後に設定されているときの契約で、1年前にキャンセルした場合にも

    適用されるのである。

 

   このような場合、一体業者にどういった損害が生じているというのだろうか。

   少なくとも、このような一律の契約条項が消費者にとって不当に不利益を課するもので

   あることになりはしないか?

   と言う疑問がわくことになる。

 

   この点、消費者契約法は、

 

   「第9条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

      一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項で

        あって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の

        区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生

        ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

     (以下略)」

 

 と規定しており、

 

 すなわち、解約の際のキャンセル料は、

  「平均的損害を超える部分は無効」

 であるとしている。

 

  そうすると、上記の契約条項は、

  「いったん契約した以上は,解約日が挙式日からどんなに以前であっても最低30%のキャンセル料を

 支払え」

 というものであり、「契約条項」としては、やはり平均的損害を超えるものを消費者が負担することになると

 言わざるを得ないわけである。

 

 そこで、今回この点を問題視して、KC’Sは当該業者に問合せをなし、また改善についての申し入れを

 再三にわたってしたにもかかわらず、これを無視されるような事態に至ったため、本裁判を提起したものである。

 

 その経緯については、プレス用の資料にも記載されているが、ここにもアップしておく。

 

150902(株)VeaU・富久屋マネジメント差止訴訟プレスリリース資料_02 150902(株)VeaU・富久屋マネジメント差止訴訟プレスリリース資料_03

 

  経緯は以上の通りである。

  今後裁判期日も入ったので、その進行に対しても注目が集まると思われる。

 

 

 カテゴリー : 一般, 法律

貸衣装契約解約条項使用差止請求訴訟について(その1)

昨日、当職が主任となって提訴した差止請求訴訟のニュースが

いくつかアップされていましたので、紹介しておきます。

 

結婚式貸衣装キャンセル料提訴(NHK)

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20150902/4470211.html

 

貸衣装解約金「不当に高額」、消費者団体が会社提訴(TBS)

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2578461.html

 

(関西テレビニュース画像)

http://www.ktv.jp/news/sphone/douga.html?bctid=896057901002

 

結婚式貸衣裳キャンセル料高額提訴(読売TV)

http://www.ytv.co.jp/press/kansai/D10247.html

 

・・・これらのニュースからではなかなかこの訴訟を理解するのが、難しいと思われる。

 

整理すると、以下の疑問が上げられるだろう。

 

 1 消費者団体が何故裁判を起こせるのか。

 

 2 消費者団体は一体何を求めて裁判を提起したのか。

 

 3 被告の貸衣装会社の何が問題だったのか。

 

・・・以下これらの点について、回答してみよう。

 

1 まず、消費者団体というが、単なる任意団体ではない。

 

   本件のような訴訟を提起できるのは、内閣府から認証を受けた

         「適格消費者団体」

  でなければならない。

 

   適格消費者団体になるためには、消費者の利益を守るための活動を

  主な目的として、相当期間その活動を行っている実績がある団体である

  ことや、組織体制や業務規程が  整備されており、消費者被害の案件

  について分析したり、法的な検討を行ったりする専門性をもっていること、

  さらに財政的(経理的)な基盤が要求される。

 

   したがって、従来から消費者保護の活動に取り組んできた消費者団体

  でなければ 、そもそも内閣府の認証を受けられず、

  今回のような差止請求訴訟を提起できない。

 

  今回訴訟を提起したのは、大阪を拠点に活動をしている、

      「特定非営利活動法人消費者支援機構関西

 である(略称を「KC’S」という)。

 

  KC’Sのホームページ :http://www.kc-s.or.jp/

 

  適格消費者団体の一覧については消費者庁ホームページ

  http://www.caa.go.jp/planning/zenkoku.html

 

 

2 では、適格消費者団体であるKC’Sは今回、いかなる裁判を提起したのか?

                                (以下続く)

 

 カテゴリー : 法律

物干し竿に10万円?拡声器商法その2

以前、 「いわゆる拡声器商法について」

と言う題名でブログも書いた(2015年6月12日)のだが、

今般、国民生活センターにおいて、この手の商法について

注意喚起がなされている。

 

物干しざおに10万円!?-高齢女性を中心に、移動販売でのトラブルが再び増加!-

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150806_1.html

 

ヤフーニュース:

<物干しざお>一式90万円も…高額売りつけ、相談増加

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150806-00000049-mai-soci

 

相談件数の増加を示すグラフである (上記国民生活センターHPより)

 

2005年度から2015年度7月21日登録分までの年度別相談件数のグラフ。グラフに続いてテキストによる詳細。

 

 センターへ報告された相談事例では、

                      

 ・商品を選んでいないのに勝手に切って高額な請求をされ、領収書も渡してくれない

 ・切ってしまったから返品はできないと言われ、仕方なく払ったが納得できない

 ・2本で1,000円のはずが1本4万円で、コンビニでお金をおろして支払った

 ・業者が説明した金額より、はるかに高い請求をされ、今すぐの支払いを求められた

 ・商品を選んでいないのに、高額な請求をされ銀行まで同行された。領収書もうそだった

 

と言った、相当悪質な事例である。

 

 これらの事例をみると、訪問販売以前の問題であって、

 詐欺や恐喝に該当する犯罪行為であると言わざるを得ない。

 

 こういう被害にあっては、センターが対策としてあげる、

 「販売価格をはっきり確認し、納得できない場合は、お金を支払わないようにしましょう」

 というような方法では対処できず、むしろ

 「周囲の人や110番に電話をして助けを求めましょう」

 と言う対応こそが最終的なよりどころとなるのではないかと思われる。

 

  それと同時に、

  こういった悪質なさおだけ商法については、たとえ呼び止めたことが発端だったとしても、

 

  消費者が当初予想していた商品と異なる物品及び金額での勧誘を受けた

  場合には、即座に勧誘を断ることが出来る権利(do-not-knockを拡張?)

 

  を消費者に認める必要があるのではないか。

 

                     弁護士尾崎博彦@尾崎法律事務所

 

 

 カテゴリー : 一般, 法律

特定商取引法改正・緊急シンポジウム―ストップ!迷惑勧誘 

久しぶりのブログ更新である。

今回は表題のシンポジウムの案内である。

 

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           ―特定商取引法改正・緊急シンポジウム―                  

             ストップ!迷惑勧誘           

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    特定商取引法改正に向けた検討が始まりました。訪問販売・電話勧

  誘の規制強化が大きな争点になっています。消費者庁は事前の拒否者

  への勧誘を禁止する制度(Do-Not-Call制度・Do-Not-Knock制度)

  の導入に前向きな姿勢を示していますが、一部の業界団体が猛烈に反

    発し、制度の導入を政治力をもって阻止しようとしています。今、何が 議

    論され、何が起きているのかを是非知ってください。そして、迷惑 勧誘をな

    くしていくために、私たち消費者一人一人が声を上げていき ましょう!

—————————————————————

  日時:2015年8月11日(火曜日)

     午後6時30分~午後8時00分

     申込不要・入場無料

  場所:大阪弁護士会館2階201会議室

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 内容:1.今、何が問題となっているのか?

      2.こんな被害・トラブルがあります!

     3.諸外国の制度はどうなっているのだろう?

     4.特定商取引法見直しの最新情勢

        村 千鶴子氏(弁護士・東京経済大学教授)

     5.猛反発する一部業界、その「論理」と手法

     6.海外の事業者はどう対応したか?

     7.広がる!訪問販売お断りステッカーの取組み

     8.消費者団体の声

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ――― 主催:不招請勧誘規制を求める関西連絡会 ―――

 

    是非、不招請勧誘についての実態を知り、特定商取引法の

 改正にDo-not-call、do-not-knock制度の導入を求めたい!

 

    弁護士尾崎博彦@尾崎法律事務所

 

 カテゴリー : 一般, 法律

「後出しマルチ」にご用心!

今度、マルチ商法関連の講演?をすることになったので、

あらためて「連鎖販売」について勉強し直しているのだが、

思ったよりも、未だマルチ商法被害が多岐にわたり、

かつ深刻なものであることを認識せざるを得ない。

 

国民生活センター2014年5月8日:

公表 「相談急増!大学生に借金をさせて高額な投資用DVDを購入させるトラブル」

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140508_1.html

 

・・・1年も前に公表されている事案を把握していなかった

  不明を恥じるばかりだが、ここからは、本来

  「のぞみもしなかったのに、マルチ商法の片棒を担がされてしまう」

  危険性があることが示されている。

 

  このトラブルであるが、以下のような経緯をたどると推測される。

 

1 被害者は主として大学生である。彼をA君と呼ぼう。

   あるときA君は、喫茶店等に、友人や先輩に呼び出される。

 

 

   おそらく、

   「いいアルバイトを紹介する」

   とか、

   「事業に成功している先輩を紹介する」

   とか言って呼び出すのであろう。

 

 2 A君が喫茶店に行くと、その友人あるいは先輩から投資用

   DVDを購入するように勧誘を受ける。

 

   投資用DVDは、かなり高額で数十万円もするのだが、

    「これを見て実践すれば必ず儲かる」

    「今購入しておけば、君の人生がバラ色になる」

   とか何とか言って勧誘されるのだろう。

 

3 当然、大学生のA君にはそんなお金はないわけであるが、

  これについては、サラ金やクレジットカードの利用をすすめて

  購入させようとする。

 

   学生の場合、サラ金は本来貸付が出来ないにもかかわ

  らず、本人にうそをつかせて借金をさせ、現金で投資用DVDを

  購入させてしまうわけである。

 

4 契約させられた彼には、ほとんど無価値(実際には儲からない)

  のDVDと借金だけが残される。

 

   当然のことながら、DVDを購入し自己使用しても儲かるわけは

  ない。そうすると借金の返済に窮するわけである。

 

5 そこで、勧誘者は、A君に、他人を紹介したらマージンが得られ

  ることを説明し、DVDを購入した彼に友人等を勧誘するよう指示

  する。

 

   A君は、マージンを得て借金の返済に充てようと、友人にDVD

  の購入をさせるとともに、同様の説明を繰り返すことになる・・・。

 

 

・・・ここで注意すべきなのは、当初A君は単に投資用DVDの購入を

  勧められているだけである。

 

  もちろん、勧誘目的で喫茶店に呼び出されているのだから、

  これは訪問販売に当たるのだが、ここでは、それだけにとどまらない。

 

  A君は、後から商品を新たな友人へ購入するよう勧誘するのみ

  ならず、いずれA君と同様にマージンの支払いをもって、新たな

  購入者を勧誘するものへの勧誘を行うことになるのであって、

  特定負担(=DVDの購入)が先行し、後に特定利益(=マージン

  の支払い)を約束されることで、連鎖販売の要件を

  後から満たすことになる。

 

 このように後から連鎖販売の要件を満たすので、

   「後出しマルチ」

 と呼ばれる。

 

 この手法は、かつて、家庭用浴槽気泡発生装置の販売を行っていた

 「原ヘルス工業」が取っていた手法であるが、学生を対象とする商法は、

 借金をさせてまで商品を購入させ、その返済にはマージンをもらう必要

 があり、そのためには更なる勧誘者とならざるを得ない方向へ誘導する

 という点でより悪質である。

 

 やっかいなのは、この手法が、単なる商品等の購入契約と、連鎖販売

 取引部分とが一件切り離されてみえることである。

 

 もちろん、前述したように、購入契約のみ取り上げても特商法の訪問販売

 規制に反している(不実告知など)わけであり、であるからこそ、現実にこれを

 行っていた業者が処分を受けているわけだが、被害者となったA君の借金は

 そのまま残る。

 

 何よりも自分が更なる勧誘者(加害者)となってしまい、自ら築いた人間

 関係を破壊することにもなってしまう。

 

 したがって、「後出しマルチ」については、特定商取引法の改正などで、

 禁止も含めたより厳しい対応が必要であると考えられるが、

 多くの場合,社会経験の乏しい大学生が被害に遭っていることに

 鑑みれば、当面は、彼らに対する情報提供や教育が徹底されるべきであろう。

 

 国民生活センターの上記サイトでも注意喚起と共に「アドバイス」が記載

 されているが、 私からも、

 まずは、

  「たとえどれだけ親しくても、借金までさせて商品を購入させようとする

 奴とは付き合うな!」

 と言うアドバイスを送ろうと思う。

 

            弁護士尾崎博彦@尾崎法律事務所

            http://ozaki-lawoffice.jp/blog/

 

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