サーバーレンタルのクリアースカイ:預託等取引に関する法律違反か?
高利回りを謳ったサーバーレンタルのクリアースカイ(京都)が
債権者から破産を申し立てられる
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9dcd55402565275ff2e170677f666c9cf23a074
昨日上記のニュースが配信されていたので、これに関して
分析を試みたいと思います。
(ただし、報道された範囲内で得られた情報に基づくもの
であることにご留意ください。)
1 報道によれば、合同会社クリアースカイ(以下「クリアースカイ」と
いう)の仕組み(スキーム)は以下のようなものだったとされています。
・サーバーを購入させる
・そのサーバーを事業者が預かりレンタル運用する。
「3か月後に10%利益を付けて買い戻す」などと約束している。
さらに、
・実際のレンタル実績が確認できない
・代表者が失踪し支払停止
といった事情も指摘されています。
2 販売預託(レンタルオーナー商法)の典型構造
さて、上記のような仕組みがいわゆる「販売預託商法」というもの
に該当するかです。
「販売預託商法」とは、
・商品を販売
・その商品を業者が預かる
・第三者に貸して利益を出すと説明:利益配当・元本保証をうたう
という形態です。
その形態からは
・購入者は現物を実際に確認できない
・実際には運用実態がないことも多い
・配当は後続出資者の資金で賄われる場合がある
といった問題点が挙げられます。
3 預託法との関係(結論)
(1)本件に関連する法律として「預託等取引に関する法律(預託法)」
という法律があります。
この法律は従前からあった「特定商品等預託法」という法律を
令和3年に大幅に改正したものです。
(2)預託法は、
・販売を伴う預託(販売預託)は原則禁止
・例外的に内閣府(消費者庁)が勧誘段階や契約締結時に
締結予定の契約等の内容について確認を受けたもののみ
これを認める。
としています。
従前から「現物まがい商法」として消費者被害が続発して
きたことから、かかる商法は原則禁止としたもので、
「販売預託は原則禁止」
と注意喚起しています。
(3)本件スキームとの対応関係
クリアースカイの構造を当てはめると:
要素 該当性
商品の販売 サーバー購入
預託 事業者が保管・運用
利益還元 10%利益で買戻し
投資勧誘性 高利回りを強調
・・・というもので、典型的な販売預託の要件を満たす
構造になっているように思われます。
(4)以上からすれば、クリアースカイの商法は、預託法に
反する取引であった可能性が極めて高いように思われます。
4 さらに、本件は単なる預託法違反にとどまらず、
① 現物まがい商法(詐欺的性格)
実在しない・運用実態のない資産への投資勧誘
→ 報道でも「現物まがい商法の疑い」と指摘がなされて
いるようです。
② 出資法・金融規制の問題
元本保証・高利回り
→ このようなことをうたっているとすれば出資法違反や金融商品
取引法違反の可能性もあります。
③ 詐欺罪(刑事)
さらに、初めから返済意思・能力がない場合には刑法上の詐欺罪
にも該当する可能性もあります。
4 「現物まがい商法」との関係
「サーバー」という一見実在しそうな資産
しかし実際の運用実態が不明
という点で、典型的な“現物まがい商法”のパターンに該当
するように思われます。
5 実務的な評価(弁護士の視点)
本件のようなスキームについては、実務上、次のように評価
されるのが一般的です。
(1)まず、違法性の観点からは、預託等取引に関する法律との
関係で極めて強い問題が認められます。すなわち、商品を販売
した上でこれを事業者に預託し、運用益の分配や将来的な
買戻しを約するという構造は、同法が原則として禁止する
販売預託取引に該当する可能性が高く、少なくとも上記の
確認を得ていないという点で違法性が強く推認されます。
(2)さらに、刑事法的評価としては、詐欺罪の成否が問題と
なり得ます。この点については、当初から運用実態が存在
しない、あるいは約定どおりの配当や買戻しを行う意思・能力
がなかったと認められる場合には、欺罔行為が肯定され、
詐欺罪の成立が認められる余地があります。
(3)次に、被害回復の観点からは、一般に極めて困難な類型
に属します。
すなわち、取引対象とされた「現物」が実在しない、あるいは
形式的に存在しても実質的価値を有しないケースが少なくなく、
加えて、集められた資金が早期に流出・費消されている場合
が多いため、差押えや保全の対象となる財産が乏しいという
問題があります。
その結果、民事上の請求権が認められたとしても、現実の回収
には大きな制約が伴うことになります。
本件では債権者が破産申立を行ったということですが、それにより
少しでも回収が図る手段として適切かと思われます。
また、記事からは、代理店や紹介者が本件サーバーの販売等に
関与していた様子がうかがわれます。このことからすれば、
クリアースカイの経営陣だけでなく、そういったものに対しても責任追及
が行われることが予想されます。
以上のとおり、本件のようなスキームは、行政法規違反の問題にとどまらず、
刑事責任の追及や大規模な消費者被害を伴う事案へと発展して
いるようです。
同種事案が今後も発生しないよう警戒を要する類型であるかと思われます。

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