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小説『著作権は誰のもの?」(その3)

(その2より続き)

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 少し、大崎が考えを巡らせはじめ、また山川からも質問がないことから一瞬の間が開いた。

 

 その様子を心配そうに、鈴木はうかがう様子で、
「あのーそうすると、うちの頼んだのは河合さんところで山川さんが撮影したものですから、

相手のいう写真を使っていないわけですから、著作権侵害なんてあるのですか。」
と大崎に質問した。

 

大崎は
「そうですね。この場合、写真の著作者は基本的には撮影者に帰属しますから、

写真自体がどんなに似通っていても違う人が撮影したものであればそれぞれ独立した著作物であって

一方が他方の写真を侵害したということはあり得ないといえます。
 まずは、パクパクペッパーのサイトの写真が、山川さんの保有しているデータを加工したものであって、

相手の写真を流用したものではないことを説明する必要がありますね。

 

 ・・・うーん、この写真と相手のパンフレットの写真を見比べてみたら、ややアングルが違いますね。

後ろに映っているコンロの配置もやや違うようです。この点からも、写真が違うということを

アピールできるのではありませんか。」

 

鈴木はやや弾んだ声で
「ああ、本当だ。よく見ると写真自体が違うものだ!

じゃあ違う写真である以上、うちが著作権を侵害したことにはならないのですね。」

 

といったが、横にいた山川はなおも心配そうに、

 

「でも先生、ギュウジュウハウスが『うちはお宅には撮影許可は出していない。』

と言い出しても大丈夫ですか?

うちの河合がどんな許可を得ていたかなんだか心配で・・・。」

 

と食い下がってきた。それを聞いて鈴木はまたシュンとなった。

 

大崎は、
「撮影許可を得ていたかどうかと、その写真が誰かの著作権を侵害したのかは別の問題です。

この場合、写真を撮影したのは山川さんですから,通常は山川さん,あるいはその上司の河合さんか、

すでにサイトで使用しているので鈴木さんに著作権が認められます。

この写真が、パンフレットの写真の著作権を侵害しているかどうかが問題となっているのですが、

撮影許可を受けていたかどうかがこの問題に関係するとは考えられません。」
と答えた。

 

続いて、

「そもそも、ある写真の著作権を侵害したといえるには、その写真のデッドコピーでない限り、

他の写真がそれを『真似をした」といえるものでなければなりません。

すなわちオリジナルの写真を認識して、それに似せようとしたという意図のようなものが必要で、

たまたま誰かの写真と同じような写真ができたというのでは

著作権侵害にはなりません。

今回の山川さんの写真は、肉の焼いている写真を撮影していたとき、たまたま別のカメラマンが

同じ被写体の撮影をしていたわけであって、そのカメラマンの作品の著作権を

侵害したことにはならないといえます。」

 

鈴木は今度こそほっとしたように、
「じゃあ、うちの写真は山川さんの撮影したもので、アールデザインの写真とは関係ないと

言ってやっていいのですね。」

 

大崎は、
「このケースの場合は、おそらくその主張で大丈夫でしょう。

これを前提に反論の回答書を作成しましょう。その上で何かありましたら、対応を考えますので。」
と申し述べた。

 

鈴木は「先生、よろしくお願いします。」

 大崎は早速、アールデザインの代理人弁護士宛に反論の書面を、

写真の相違点の指摘とともに送付した。

 

 その後、大崎のもとへ、相手方からは何もいってこなかった。

 

 鈴木は回答書を送付してもらってから1週間に1回くらいは、大崎にどうなっているかの問い合わせを

行っていたが、大崎からは「特に何もいってきてませんよ」との返事の繰り返しだった。

 

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最初の相談から3か月位たった。

大崎に「これくらい何もいってこなければ、おそらく写真の件については諦めたのでしょう」

と言われたこともあって、

鈴木は「やれやれ、わしもこれで安心できるな」ということになった。

 

 以上が、焼き肉写真騒動の顛末である。

 

                                  (了・・・ただし解説で補足します。)

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