元弁護士を強盗容疑で逮捕
昨日は弁護士の懲戒を話題にしたが、今度は、「元」とはいえ犯罪か・・・。
無銭飲食し殴る 元弁護士を強盗容疑で逮捕
本件の元弁護士は、昨年度の名簿を見たら、名前が載っていたので、昨年まで確かに弁護士会に登録されていた。
昨年退会したのは、業務上横領で有罪となったことによるという。
直接の原因はそうなのだろうが、その背景にあったのは、事務所経営が思わしくなかったことにあるようだ。
ほかにも依頼者の債権者に対する暴行などもあったとのことであり、「貧すれば鈍する」と言うような状況となっていたのだろう。
もちろんこのような状況に陥ったことは本人の自己責任であり、同情するつもりはない(特に面識があったわけではないし)。
ただ、犯罪まで行うかはともかく、今後、経済的困窮が原因で弁護士をやめざるを得なくなるといったケースは少なからず生じるものと
思われる。
合格者の激増で、弁護士過剰となったことはすでに周知であるが、この結果、若手の弁護士の経済状態が心配されている。
しかし実際のところ、廃業や退会と言った状況まで落ちぶれていくのは中堅以上の弁護士ではないだろうか。
弁護士も自営業者である以上、経営能力が必要である。しかし今までは、経営能力がなくても食うに困らない程度には仕事が
できたのである。ところが、最近はおそらく蓄えを食いつぶす弁護士も多いのではないだろうか。
事務所を維持するのに、いくら縮小しても経費はかかる。
それをカバーするには仕事をやらねばならないが、弁護士が過剰になると相対的に仕事が回ってこなくなり、ひどければ経費も
カバーできないことになってしまうのである。
もちろん、儲ける弁護士もいないわけではないし、一定数の弁護士が生き残っていくだろうが、全体としてみると、「弁護士になった」ことが
成功を意味する時代ではなくなったことは確かである。