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 カテゴリー : 一般, 法律

債務整理Q&A1・任意整理と信用情報機関への登録(ブラックリスト

今後、しばらくのあいだ債務整理についてのQ&Aを掲載していこうと思います。

あまり長い内容では、ご理解いただけないこともありますので、ここでは簡単にお答えできる内容を掲載してみようと思います。

 

第1回目のQ&Aは以下のとおりです。

 ↓   ↓   ↓   ↓

Q 破産をせずに任意整理をしたときは,ブラックリストに載りませんか。

 

A 任意整理を弁護士に依頼した場合は,債権者は事故としての扱いを

  しますので、いわゆるブラックリスト(信用情報機関の事故情報リスト)に

  載ることになります。多くの場合は「弁護士介入」と登録されるようです。

   従いまして、リスト登録の点については破産の場合と

   あまり変わりはありません。

    但し、金融業者によっては任意整理の場合、事情によって

   信用情報機関への登録をしない扱いをすることもあるようです。(※)

    (※)当職が聴取したり、事件取扱いの経験から申しあげているものであって、

        金融機関により取扱いの方針が異なりますし、具体的な基準があるわけ

        でもありません。もちろん登録がなされないことを保証できるわけではありませんし、

        交渉により登録がなされないようにできるものでもありません。

 

 

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景品表示法の課徴金について(最近の事例

(1月28日公表)

 消費者を誤認させる表示を行っていた事業者に対して、消費者庁が景品表示法第8条第1項の規定に基づく課徴金納付命令を出したとのことです。

 

「シールで燃費向上」に根拠なし 消費者庁が課徴金納付命令

https://news.yahoo.co.jp/articles/4b6f66d47e1dbba0dcaa98341a7ff94c53352294

 

消費者庁の該当ページ

アドパワー・ソリューションズ株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について

https://www.caa.go.jp/notice/entry/040838/

 

景品表示法(第8条)では、消費者庁は、不当な表示(※)をした事業者に対して、当該表示にかかる商品等の、一定期間における売上額(算定方法は政令で定められている)の3%に相当する課徴金の納付を命じなければならないとされています。

(但し、事業者が、不当表示がなされていることを、相当の注意を怠らなかったにもかかわらず知らなかった場合は課徴金の支払いを免れます。)

 

(※)ここに言う「不当な表示」とは、景品表示法第5条に規定する、優良誤認表示(5条1号)

   あるいは有利誤認表示(5条2号)のことです。措置命令等の対象となる不当表示には、

   ほかに「商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある

   表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害

   するおそれがあるとして」政令で指定されたもの(5条3号)がありますが、これは課徴金の

   対象とはなりません。

 

上記のケースは、当該事業者の自社ウエブサイトで、その販売するシールを貼るだけで燃費を改善する旨の表示がなされたものであり、消費者庁から表示どおりの効果が生じることの根拠資料を求められたがそれが提出できなかったことから、景品表示法違反の表示と認定されたものです。

 

景品表示法では従来から不実の内容や誇大な広告等、不当表示がなされた場合、当該事業者に対して、その是正を求めるための措置命令などを行う権限(命令に従わない者に対しては罰則もある)を消費者庁に与えておりましたが、より実効的な措置として、平成26年の改正により、課徴金命令が導入されました。

これは,措置命令を受けても、当該事業者に不当表示を行ったことによる利益が保持されるのでは、実効性が薄いことから、課徴金が課されることで,不当表示をより効果的に抑止しようとしたものです。

 

このことは逆に事業者から見れば、不当表示をうっかり行ってしまっていた(広告業者に任せきりだったなど)場合であっても、その表示がなされていた一定期間の売上額を基準とする少なくない金額を吐き出さなければならないわけです。

このことは事業や商品の展開を図る場合のビジネスリスクの一つとして念頭に置くべきことではないでしょうか。

 

そうすると、事業者が、広告その他の表示を行う場合、その「内容についても、景品表示法に反しないかを常に検討しなければなりませんが、その検証には専門知識が必要となりましょう。

 

事業者自身がその検証をする部門や担当者を配置できるのであれば、それがベストかと思いますが、コスト的にも見合わない場合には、外部の専門家に当該表示の検証を求めることも必要ではないかと思われます。

 

当事務所でも,景表法関連の事案について検討を重ね、上記のような検証についてご依頼があれば適切な対応ができるよう努力して参ります。

 

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景品表示法務検定(アドバンス合格しました

令和6年度の景品表示法務検定を受験したところ、92点で
「アドバンスコース」で合格した。

 

景品表示法務検定 https://www.jfftc.org/index.html#kentei

景品表示法務検定は、消費者庁の後援を得て、一般社団法人 全国公正取引協議会連合会(Federation of Fair Trade Conferences)主催で実施している検定試験である。

 

試験形式はCBT(Computer Based Testing)と言う方式だそうで、私も初めてこのような方式の試験を受けた。

 これは、コンピューターのディスプレイに問題が表示され、マウスやキーボードを使って選択肢を選んだり、答えを入力したりして解答するものである。

 あらかじめ設定された会場に行ってそこに備え付けられたパソコンから受験する。試験に臨むに当たり身分証明書を提示して、余計なものは持ち込めない。

 試験自体は受験可能な一定の期間(日時ではない!)と場所が決めれており、受験者はあらかじめ指定した日時に会場へ行って受験することになる。会場に設置されたパソコンで受験をすることからカンニング等の不正行為が困難であることがメリットとされている。

cf.「CBT試験」「CBT方式」とは?(https://cbt.odyssey-com.co.jp/solution/)

 

 

さて、この試験の合格者は「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日内閣府告示)」に規定された「表示等管理担当者」とされる。

 この資格を有する者を広告企画や法務等の担当者に配置・活用し、景品表示法違反行為の未然防止を徹底していただくことを期待するとされている。

 

令和6年度の試験は受験者数420人に対して合格者数は241人、
うち70点以上のベーシックが133人
  80点以上のスタンダードが83人
  90点以上のアドバンスが25人
と言うことだ。

 

景品表示法務検定の結果概要

https://www.jfftc.org/kentei/kentei_kekka.html

 

どうやら、私は25人の合格者のうちの一人であったようである。

 

この試験を受けようと思ったのは、最近の広告問題に関心を持ったことによる。

 

最近の消費者問題としては、主に通信販売などのトラブルがあるが,その原因の一つにインターネット上の広告が不動表示や誇大な表現などによることがある。確かに主にインターネットの広告を見ていると、景品表示法で規制される優良誤認表示や有利誤認表示に当たるケースが多々見られ、有名企業でもその違反に問われ、多額の課徴金を命令されていることも少なくない。

適正な広告・表示は消費者にとってよい商品を見分けるために役立つだけでなく、よい商品を販売する企業にとっても留意すべき事項と思われる。景品表示法務検定は企業内での広告企画などに携わる人材に資するものである。もちろん、専門職が今後企業にアドバイスするためにこの資格を取っておくことは有用であろう。

 

私も、この資格の取得したものとして、景品表示法について消費者のみならず、企業の広告戦略に際してアドバイスできるようお役に立てるものと考えている。

 

(受験を考えている方への参考ホームページなど)
 HiraQサンのホームページが参考になる。
 「【激ムズ?】景品表示法無検定に勉強期間2ヶ月で挑んだ結果(2023年度)
  https://writehack.site/category-column-klawtest-2023/

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現金が戻ってくる可能性?(その3)

3 チラシの問題性②:おとり広告の可能性

(1)過払金返還請求権を有する者の掘り起こしを目的とする?

 

  この点、おそらくは、この司法書士法人に依頼する人のほとんどが多重債務に陥っており、そのような人がこのチラシを見て「ひょっとして私の場合は?」と問合せをしてくるのだろう。

 

  しかし実際には過払金は存在しないか、あったとしても他の負債をあわせると「焼け石に水」といった状態であることがほとんどではないか。

 

  つまり、「現金が戻ってこない」多数の人たちが「現金が戻ってくる」というワードでこの広告により問合せをしてくるのだろうと考えられる。

 

   この視点から当該広告に更なる問題はないか。

 

(2)私は、このような手法は「おとり広告」に該当する恐れがある。

 

   すなわち、おとり広告とは、商品や役務を購入できるかのように表示しているが、実際には販売できる可能性や販売する意思がないことにより、消費者が表示された商品等を購入できないにもかかわらず、一般消費者がこれを購入できると誤認する恐れのある表示(広告)をいう。

 

   このようなおとり広告は、景品表示法においても不当表示としての規制を受ける。

 

   なぜかというと、このような表示は、表示された商品や役務に関心を持つ消費者を誘引した上で実際に販売する他の商品等を売りつける手段として用いられるからであり、かかる行為が一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するからである(西川康一編著・「景品表示法」第6版(商事法務)171ページ)。

 

   具体的には、どのような表示が「おとり広告」となり得るかが公正取引委員会の告示により定められており、具体的な運用基準も決められている(変更:平成28年消費者庁長官決定「『おとり広告に関する表示』等の運用基準」)。

 

cf.おとり広告に関する表示

 一般消費者に商品を販売し、又は役務を提供することを業とする者が、自己の供給する商
品又は役務の取引(不動産に関する取引を除く。)に顧客を誘引する手段として行う次の各
号の一に掲げる表示

 一 取引の申出に係る商品又は役務について、取引を行うための準備がなされていない
  場合その他実際には取引に応じることができない場合のその商品又は役務についての
  表示
 二 取引の申出に係る商品又は役務の供給量が著しく限定されているにもかかわらず、
  その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品又は役務についての表示
 三 取引の申出に係る商品又は役務の供給期間、供給の相手方又は顧客一人当たり

  の供給量が限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されていない

  場合のその商品又は役務についての表示
 四 取引の申出に係る商品又は役務について、合理的理由がないのに取引の成立を妨げ
  る行為が行われる場合その他実際には取引する意思がない場合のその商品又は役務に
  ついての表示

 

(3)さて、本チラシ広告の内容は、過払金返還請求権の調査とその請求代行をサービス内容とするものである。

 

   しかしながら、実際に過払金返還請求代行は,上記のようにほとんど可能性がなくなっていると考えられる。にもかかわらずかかる広告を続ける理由は、債務整理が必要な人たちを掘り起こすためではないかと私は考えている。

 

   そして、かかる広告は、「2012年以前からの借入をしていた人」という、極めて限定された人しか役務(過払金返還請求の代行)提供できないことは明らかである以上「取引の申出に係る商品又は役務の供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その限定の内容が明瞭に記載されていない場合のその商品又は役務についての表示」に該当すると考えられる。

 

   世の中に多重債務者があふれており、その整理が必要な人はたくさんいる。そう言った人の大部分は本来返金の可能性などないのであって、そういう人も含めて「自分もそうかもしれないという」誤認を与える当該広告はやはり、おとり広告として不当な表示と言えるのではないだろうか。

 

 

   また、法律上の問題を置いても,明らかに「現金が戻ってくる」可能性のない人(それは最近借入をした人であれば明らかであろう)をも誤った希望を与えるのは、道義上も不当であろう。

 

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以上、3回にわたって、かかる広告チラシの存在とその問題性について考察してみた。

 

もちろん結果として,現金が戻ってこないし、債務も減らないことが分かった人が,債務整理を弁護士や司法書士に依頼することが問題というわけではない。

 

しかし、本来、そのような可能性は明らかに見当たらない人まで対象にした広告をするような業者は、景表法といった法律に反している可能性もある思想でないとしても,フェアな広告をしているとはいえないだろう。

 

そのような抗告をする業者が果たして誠実に債務整理を進めていけるかは別問題とはいえ、類似の業務を行う者として、不安を感じるのは余計なお世話だろうか。

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現金が戻ってくる可能性2(「現金が戻ってくる」ことを強調するチラシについて)

前回(8月18日)のブログの続きである。

 

 

2 チラシの問題性①:優良誤認表示か?

   まず、前提として、「現金(過払金)が戻ってくる(可能性がある)」のは、
    ①遅くとも2010年6月までに借入(クレジットカード利用)していた人であり、
  かつ、
    ②現時点から遡って10年以内に取引が継続していた人に限定される。

 

   そして上記に該当する人は、2024年7月(当職がチラシを認識した時点である)現在においては,極めて限定されると言わざるを得ない(このことは前のブログで指摘した。)。

 

   ところがこのチラシでは,そのような限定はなくおよそクレジットカード利用者であれば全てが「現金が戻ってくる(可能性がある)」かのような表示がなされている。

 

   この点については、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」等という)の「優良誤認表示」(5条1項1号)あるいは「有利誤認表示」(同2号)に該当するとの疑いを否定できないものとと思料する。

 

  cf.不当景品類及び不当表示防止法
(不当な表示の禁止)
第5条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する

    表示をしてはならない。
  一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著

   しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務

   を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を

   誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
  二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは

   類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく

   有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による

   自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

 

   すなわち、景品表示法は、「一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示・・・す表示であつて、不当に顧客を誘引」する表示を規制するものである。

 

   本件では、およそクレジットカードを利用したものであれば多くの者にとって「現金が返ってくる」可のような表示であると認識できよう。ところが、実際には極めて限定された条件でしか「現金が戻ってくる」ことはない。

 

 このような可能性の低い役務(金融業者に対する過払金の返還手続)を前面に押し出した表示は「実際のものよりも著しく優良であると示すもの」といえるのではないだろうか。

 

  この点、「現金が戻ってくる(可能性がある)」者は限定されてはいるものの、前述した条件を満たせば過払金返還請求権を有していることは事実であることからすれば、チラシ主の役務が「実際の者より著しく優良」とはいえない、との考え方もあり得よう。あるいはチラシ主は「現金が戻ってくる」可能性がない人については、当該役務は発生しないとしてもその調査を無料であるから「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれ」という不利益を課するものではないと言うかも知れない。

 

  しかし、チラシ主のような過払金返還の手続をする役務の提供は、弁護士あるいは認定司法書士であれば誰でもなし得る業務である。

 

  そして、過払金返還請求が既に現時点においては、かなり限定された条件に該当しなければできないことは、弁護士らにとっては周知の事実である。その条件を明示することなく、およそクレジットカード等の利用者が全て現金の返還の可能性があるかのような表示をすることは、あたかもチラシ主だけがそのようなノウハウを有しているかのような誤認を消費者に対してまねきかねないと考えられる。(※)

 

 (※)「事業者間では常識とされているようなことであっても,それが一般消費者がおよそ知らないような事項であれば、当該事項について誤認が生じることがあり得る」(参考「景品表示法の実務」渡辺大祐著・第一法規40ページ)以上、かかる誤認が法的に問題とされうると考える。

 

  そうだとすれば、かかる表示は「実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示」であるといえるのではないだろうか。

 

  以上より、本来返還される可能性がある「カードキャッシング利用者」は法律上明らかであるにもかかわらず,これを限定せずに「カードキャッシングのご利用経験があるあなたに」向けたチラシ広告は、一般消費者に誤認をまねく表示ではないだろうか。

                                                             (続く)

 

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「現金が戻ってくる」可能性?

  最近、「現金が戻ってくる」と大見出しをうったチラシが入っていた。その広告には、対象カードとその過払金額がいくつもあげられている。

 

 このチラシは某司法書士法人が配布していたのであるが、同様な内容の広告をネット上でも見かけた方は多いのではないだろうか。同司法書士法人はテレビコマーシャルでも同様の広告をしているようである。

 

 果たして、このようなことが現実に可能か。仮に可能だとしてもどれくらいの可能性なのか。
 このチラシに何か問題はあるのか、と言った点を、これから本ブログで分析していきたい。

 

第1 過払金が発生している可能性は少ないこと

1 過払金は発生しているか。

 

   このチラシでは、大きく「現金が戻ってくる」との記載の下には小さい文字で「可能性があります」との記載もあるが、実際のところその可能性はどれくらいあるのだろうか。

 

  まずは、現金が戻ってくる根拠を考えたい。

 

2 「現金が戻ってくる」根拠

 

  先ずはこのチラシに言う「現金が戻ってくる」とする根拠であるが、借り入れた金額よりも返済した金額が上回る場合以外にはありえない。従前金融業者は利息制限法の上限を上回る金利で貸付をしていたことから、これが超過分を元本充当することにより、過払い金が発生することとなっていた。

 

  しかしながら平成18年に貸金業法の改正がなされ(平成22年6月に完全施行)、年利15~20%を超える支払についての「みなし弁済」を廃止し、出資法の上限金利を20%に引き下げたことにより、利息制限法の上限を超える金利での貸付は不可能となった。

 

  従って、遅くとも平成22年6月以降、金融業者からの貸付は、利息制限法の上限以内の金利によるものとなったため、超過利息の元本充当の余地がなくなり、過払金も生じないこととなった。

 

  そうすると、「現金が戻ってくる」可能性のある人は、遅くとも平成22年6月までに初回の借入をしていた人と言うことになるが、多くのクレジットカード会社は法律が施行されるまでに金利を見直していたと考えられるから、実際には平成18年以降に借り入れた方には過払金発生はないか、あっても極めて希少な額しか発生しないと思われる。

 

3 過払い請求権の時効

 

  また、注意すべき点がもう一つある。それは「過払金返還請求権の時効」の問題である。

 

  すなわち、ほぼ確実に過払金返還請求権が発生していると考えられるのは、法施行以前に借入をしており、かつそれ以降に約定どおりに完済した人である(債務を完済していない人でも過払金が発生していることはあるが調査・再計算しないと確実とは言いがたい。)。

 

  ところが、2024年現在では完済から10年を経過していることも多く、せっかく生じていた過払金返還請求権が時効により消滅している可能性が高い。

 

   そうすると結局、過払金が発生していたとしても、その返還請求権は時効により消滅しており、現金が戻ってくることはあり得ない。

 

4 あらためて過払金の発生の可能性について

 

  それでも法改正あるいは法施行から10年以内であれば、まだそれ以前からの借入と返済が多額に及んだ人がまだまだ存在しており、過払金返還請求が可能な事例は少なくなかったかも知れない。

 

  しかし、法律成立から18年、完全施行からでも14年も経ている2024年(現在)においては、もはや、「現金が戻ってくる」可能性は極めて低いと言わざるを得ないのではないだろうか。

 

  そうすると、このチラシ広告の狙いはどこにあるのだろうか。
  いったんここで一息ついて、別項で論じていこうと思う。

 

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令和6年お盆の営業状況について

当事務所のお盆(8月8日~8月16日)の営業時間は

以下のとおりとさせていただきます。

 

1 平日は通常どおりの営業(9時から21時)いたします。

 

2 8月10日(土),11日(日)、12日(月祝)は午前11時から

  午後5時までの営業とさせていただきます。

 

3 電話でのお問合せは上記時間帯以外も随時受け付けております。

 

以上よろしくお願い申し上げます。

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2024年の倒産件数、11年ぶり大台突破確実か

2024年の倒産件数、11年ぶり大台突破確実か/コロナ禍の手厚い保護「ゼロゼロ融資」の返済ピーク、中小企業に大打撃
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c1cb8b3b23a82cab1dc062c6fb0ed04721a321f#:~:text=2024%E5%B9%B41%E6%9C%8817,%E4%BB%B6%E5%8F%B0%E3%81%AB%E9%81%94%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
(ヤフーニュースより)

 

まず、令和以降の倒産件数・負債総額は
以下のとおりだそうです。

 

 西暦(和暦)     件数    負債総額(円)
2023(令和5年)  8,690    2,402,645
2022(令和4年)  6,428    2,331,443
2021(令和3年)  6,030    1,150,703
2020(令和2年)  7,773    1,220,046
2019(令和元年) 8,383    1,423,238
(引用 https://www.tsr-net.co.jp/news/status/transition/)

 

2024年は、中小企業の倒産が11年ぶりに1万件を超える高水準になると予想されています。
コロナ禍が明けたにもかかわらず中小企業の倒産が増える要因ですが、コロナ禍の期間に受けていた、ゼロゼロ融資(実質無担保・無利子)などの返済期限がここに来て中小企業の重荷となって、資金繰りが困難になることが主たる原因と考えられるそうです。

また、人手不足なども売上げの不振に拍車をかけ、その結果返済が困難となるものと思われます。

 

業種別では、飲食業を含むサービス業が2940件(前年比41.6%増)で、増加率第1位だそうです。飲食業は零細企業が多く、コロナ禍で客足が途絶えてから、それが順調に回復しなかったことにも原因があると思われます。

 

飲食店の売上げが不振となって廃業するに当たり、当事務所に自己破産の申立を依頼されるというケースもあリましたが、今後はこういったケースが増えてくるのではないかと予想されます。
廃業に当たって債務超過に陥るケースであれば、やはり法的な整理をする方が良いでしょう。そのためには専門家による適切なアドバイスが不可欠です。

 

当事務所においても、飲食店の廃業に当たって、適切な債務整理の方法をアドバイスできると思いますので、お気軽にご相談くださいませ。

 

 カテゴリー : 一般, 法律

破産に至る浪費の類型について

自己破産の原因として一定の浪費がある場合は少なくない。
ではどのような浪費が多いのか。
当職が扱った事案の中から抽出してみた。

 

1 FX取引、バイナリーオプションなど
  最近浪費の類型として目立つのは、FX取引やバイナリーオプションと言われる取引である。

 

  これらの取引を詳細に紹介することはここではしないが、要するに、外国通貨の将来の為替変動(例えば,日本円-米国ドルの為替レート)を予想して、これを売買することで、予想通りの変動があれば為替差益を取得し、予想が外れれば為替差損を負担する、というものである。

 

  相場の変動は日々変化するものであり、その予想をすることは一般人にとっては容易ではない(どれだけ研究しようと、それは予想の精度を高める以上のものでしかなく、絶対に儲かる予想など不可能である。)。結局これらの取引はハイリスク・ハイリターンであり、また偶然の要素にかかってくるという点でギャンブル的要素は否定できない。従って、資金に余裕があるならともかく、生活資金等を投入してまでこれを行うことは明らかに「浪費」である。

 

  それにも関わらず、FX取引が確実に儲かる「投資」である(多くの業者の広告は「投資であるかのごとき」イメージを作出しており、この点にも問題があると考えている)との誤解のもとにこれらの取引に手を出して財産を減らし負債を抱えた人が確実に多数存在している。

 

2 ネット競馬など
  次に、多く見受けられるのは、ネット競馬や競艇などのインターネット経由で参加できるギャンブルである。違法カジノに手を出していた事例もあるようだ。

 

  これらのギャンブルの特徴は、極めて手軽に参加できるところにある。従来は競馬場や場外馬券場に行かなければ購入できなかった馬券がネット経由で購入できるようになり、これにはまる頻度は比較にならないぐらい高まっている。

 

  また一回あたりの購入額が少額でも購入機会が多数回に及べば多額の金銭が流出することになる。その結果、生活費を脅かすほどの出費により負債が増大していった人が多数存在している。

 

  ネットで手軽に購入できるという点では宝くじも同様であり、これを繰り返していた人もいる。こちらも少額で購入できることから少なくない頻度で購入している人もいるが、競馬等に比べてギャンブルの高揚感が少ないためか、支払い不能の主たる原因となったケースは少ない。もっとも、宝くじの場合も借金返済に苦慮している状態で繰り返し購入することが浪費となることは否定できない。

 

3 アイドル等の追っかけ
  アイドルの追っかけのために借金が増えたという事例もいくつか存在する。当事務所で取り扱った事案は全て女性であり、いわゆるジャニーズ系や韓流アイドルにはまった人たちであった。

  筆者も以前ローカル系アイドルのライブへしばしば通ったことがあり、その経験からすれば、アイドルの追っかけにはまる気持ちはわからないでもない。しかし、全てのライブやツアーに同行しグッズを購入するとなれば、その経済的負担は少なくない。そして、そういったことに嵌まるのは多くの場合収入も資産も多くはない若い女性であることから、クレジットカード等の利用を繰り返すうちに借金がかさんでいってしまうのである。

 

4 パチンコ
  最近、パチンコにはまったという破産者は減っているようである。その原因は、コロナ禍で店舗へ行くことを控えるようになったことや、より手軽なギャンブルが出てきたこと、パチンコでのリターンが規制により少額になったことなどがあると思われる。

  ただし、そうではあっても依然パチンコにはまって生活費を圧迫する事態に陥ったことが破産の原因とされるケースも存在する。町中に手軽にあるギャンブルとしては依然パチンコは健在であり、破産の原因となり得る可能性は否定できない。

 

 ・・・以上、これらは、お金をつぎ込んで得られるリターンの高揚感・期待感という点で一致している(※)

 

 ただ、競馬・パチンコ等、明らかにギャンブルとされているものよりも、FX取引のような「投資まがい」へ金銭をつぎ込むほうが、損をしたときの喪失感が多く、これを取り返そうとして深みに嵌る可能性が大きいようである。

 

  いずれにしても、嵌まってしまうことで破産に至る浪費の類型について紹介してみた。

 

(※)アイドルの追っかけで金銭的なリターンはないが、アイドルを応援することで彼らに顔を覚えてもらえたり、アイドルがメジャーデビューするといったことが,彼女たちへのリターンとかんがえられる。

 カテゴリー : 法律

債務整理事件における弁護士の面談の必要性(追記

 弁護士が債務整理事件(任意整理、自己破産、個人再生手続など)を受任するに当たっては依頼を受ける弁護士が、直接依頼者と面談しなければならないのが原則とされています。

 

日本弁護士連合会・債務整理受任のルールについて
https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
債務整理事件処理の規律を定める規程
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_93r.pdf

 

 このことからすれば、全国展開している事務所であっても、依頼者とは直接面談するのが原則であり、やむを得ない場合のみWEBやメール等の手段で連絡を取ることが容認されているのみです。

 

 当職が聞き及ぶところによると、受任後も含めて実際の面談を行わず債務整理事件を処理している法律事務所があります。また事務所での面談を行うものの弁護士自身はあいさつ程度で終わり、実際の事件内容の聴取は専ら事務員に任せているところもあるようです。

 

 こういった事務所が顧客のために債務整理を適切に行えていないとは限りませんし、実際に債務整理をお願いした方にとって満足のいく解決であったケースもあるでしょう。

 

 しかしやはり弁護士会の規定を遵守していない法律事務所に依頼されることは、以下のデメリットがあると思います。

1 実際に弁護士が面談していないことで,依頼者に連絡や報告が

 十分になされず、実際の債務整理の内容が把握できないまま、支払を

 継続する危険性があること。
2 弁護士が債務整理を担当しない事務所では非弁提携の可能性

  があり、その弁護士が弁護士会から業務停止等の懲戒を受けた場合、

  支払がストップしてしまう危険性があること。

 

 結局、弁護士が面談しないことで依頼者が自分の債務整理について残債務の状況や解決内容(破産申立が進んでいるのか、任意整理の場合どこまで支払いが完了しているのかと言ったような点について)について十分に把握できなくなったり、弁護士が懲戒にかかると依頼者の業務もストップしてしまいますので,これらの危険性をはらんでいることからすれば、債務整理(任意整理のみならず、自己破産や個人再生も含めて)を依頼される方は実際に弁護士自身が面談してくれる事務所へ依頼されるべきだと思います。

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