債務整理事件における弁護士の面談の必要性(追記
弁護士が債務整理事件(任意整理、自己破産、個人再生手続など)を受任するに当たっては依頼を受ける弁護士が、直接依頼者と面談しなければならないのが原則とされています。
日本弁護士連合会・債務整理受任のルールについて
https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
債務整理事件処理の規律を定める規程
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_93r.pdf
このことからすれば、全国展開している事務所であっても、依頼者とは直接面談するのが原則であり、やむを得ない場合のみWEBやメール等の手段で連絡を取ることが容認されているのみです。
当職が聞き及ぶところによると、受任後も含めて実際の面談を行わず債務整理事件を処理している法律事務所があります。また事務所での面談を行うものの弁護士自身はあいさつ程度で終わり、実際の事件内容の聴取は専ら事務員に任せているところもあるようです。
こういった事務所が顧客のために債務整理を適切に行えていないとは限りませんし、実際に債務整理をお願いした方にとって満足のいく解決であったケースもあるでしょう。
しかしやはり弁護士会の規定を遵守していない法律事務所に依頼されることは、以下のデメリットがあると思います。
1 実際に弁護士が面談していないことで,依頼者に連絡や報告が
十分になされず、実際の債務整理の内容が把握できないまま、支払を
継続する危険性があること。
2 弁護士が債務整理を担当しない事務所では非弁提携の可能性
があり、その弁護士が弁護士会から業務停止等の懲戒を受けた場合、
支払がストップしてしまう危険性があること。
結局、弁護士が面談しないことで依頼者が自分の債務整理について残債務の状況や解決内容(破産申立が進んでいるのか、任意整理の場合どこまで支払いが完了しているのかと言ったような点について)について十分に把握できなくなったり、弁護士が懲戒にかかると依頼者の業務もストップしてしまいますので,これらの危険性をはらんでいることからすれば、債務整理(任意整理のみならず、自己破産や個人再生も含めて)を依頼される方は実際に弁護士自身が面談してくれる事務所へ依頼されるべきだと思います。