「脳波の不調を直す」美容機器?
特定商取引法の業務停止命令が報道されていたので、アップしておく。
「脳波不調治す」と虚偽=高額機器販売で業務停止―消費者庁
ニュースリリース(消費者庁:PDF)
件の業者は、訪問販売及び連鎖取引販売の形態で、自社の扱う商品を販売していたのだが、業務停止の根拠としては、
特定商取引法違反の行為があったからだが、具体的には以下の行為が認められたからだという。
1 勧誘に先立つ名称等の不表示
勧誘に先立って、会社(統括者)の名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘する目的である旨及び当該勧誘に
係る商品の種類を明らかにしなかった。
2 不実告知
営業員は、連鎖販売取引の勧誘を行うに際し、本件商品の性能について、病気の治癒や症状の改善などの効果を裏付ける合理的な
根拠がないにもかかわらず、 「イルカが発信する音波と同じようなものが出て脳波の不調を治す」などと告げて勧誘を行っていた。
3 公衆の出入りしない場所においての勧誘
勧誘する目的である旨を告げないまま消費者を呼び出し、「ちょっと行ってもらいたいところがある。」などと告げて、公衆の出入りしない
場所に同行させたりして、営業員等が連鎖販売の勧誘を行っていた。
4 迷惑勧誘
消費者が、何度も断り、契約を締結しない旨の意思を表示しているにもかかわらず、執拗に勧誘を行ったり、購入するまで長時間の勧誘を
続けたりするなど、相手方に迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行っていた。
・・・ニュースでは主として2を問題にしていたが、それはおそらく一般的な見地からもこの行為が詐欺的な商品を販売している疑いがあると
考えられたからだろう。
健康や美容に役立つと言われると人々は関心を持つわけだが、そう言った心理につけ込んだ、科学的な効能が疑わしい商品も存在する。
結局、そう言った商品は、まともな商品ではなく、まともな販売方法では売れないから、販売意図を隠しての勧誘や、連鎖販売取引など
と言う、正常な判断をさせないようような勧誘や販売方法をとって消費者に契約を締結させるのだと言うことを、知っておくべきであろう。