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 カテゴリー : 一般, 法律

破産に至る浪費の類型について

自己破産の原因として一定の浪費がある場合は少なくない。
ではどのような浪費が多いのか。
当職が扱った事案の中から抽出してみた。

 

1 FX取引、バイナリーオプションなど
  最近浪費の類型として目立つのは、FX取引やバイナリーオプションと言われる取引である。

 

  これらの取引を詳細に紹介することはここではしないが、要するに、外国通貨の将来の為替変動(例えば,日本円-米国ドルの為替レート)を予想して、これを売買することで、予想通りの変動があれば為替差益を取得し、予想が外れれば為替差損を負担する、というものである。

 

  相場の変動は日々変化するものであり、その予想をすることは一般人にとっては容易ではない(どれだけ研究しようと、それは予想の精度を高める以上のものでしかなく、絶対に儲かる予想など不可能である。)。結局これらの取引はハイリスク・ハイリターンであり、また偶然の要素にかかってくるという点でギャンブル的要素は否定できない。従って、資金に余裕があるならともかく、生活資金等を投入してまでこれを行うことは明らかに「浪費」である。

 

  それにも関わらず、FX取引が確実に儲かる「投資」である(多くの業者の広告は「投資であるかのごとき」イメージを作出しており、この点にも問題があると考えている)との誤解のもとにこれらの取引に手を出して財産を減らし負債を抱えた人が確実に多数存在している。

 

2 ネット競馬など
  次に、多く見受けられるのは、ネット競馬や競艇などのインターネット経由で参加できるギャンブルである。違法カジノに手を出していた事例もあるようだ。

 

  これらのギャンブルの特徴は、極めて手軽に参加できるところにある。従来は競馬場や場外馬券場に行かなければ購入できなかった馬券がネット経由で購入できるようになり、これにはまる頻度は比較にならないぐらい高まっている。

 

  また一回あたりの購入額が少額でも購入機会が多数回に及べば多額の金銭が流出することになる。その結果、生活費を脅かすほどの出費により負債が増大していった人が多数存在している。

 

  ネットで手軽に購入できるという点では宝くじも同様であり、これを繰り返していた人もいる。こちらも少額で購入できることから少なくない頻度で購入している人もいるが、競馬等に比べてギャンブルの高揚感が少ないためか、支払い不能の主たる原因となったケースは少ない。もっとも、宝くじの場合も借金返済に苦慮している状態で繰り返し購入することが浪費となることは否定できない。

 

3 アイドル等の追っかけ
  アイドルの追っかけのために借金が増えたという事例もいくつか存在する。当事務所で取り扱った事案は全て女性であり、いわゆるジャニーズ系や韓流アイドルにはまった人たちであった。

  筆者も以前ローカル系アイドルのライブへしばしば通ったことがあり、その経験からすれば、アイドルの追っかけにはまる気持ちはわからないでもない。しかし、全てのライブやツアーに同行しグッズを購入するとなれば、その経済的負担は少なくない。そして、そういったことに嵌まるのは多くの場合収入も資産も多くはない若い女性であることから、クレジットカード等の利用を繰り返すうちに借金がかさんでいってしまうのである。

 

4 パチンコ
  最近、パチンコにはまったという破産者は減っているようである。その原因は、コロナ禍で店舗へ行くことを控えるようになったことや、より手軽なギャンブルが出てきたこと、パチンコでのリターンが規制により少額になったことなどがあると思われる。

  ただし、そうではあっても依然パチンコにはまって生活費を圧迫する事態に陥ったことが破産の原因とされるケースも存在する。町中に手軽にあるギャンブルとしては依然パチンコは健在であり、破産の原因となり得る可能性は否定できない。

 

 ・・・以上、これらは、お金をつぎ込んで得られるリターンの高揚感・期待感という点で一致している(※)

 

 ただ、競馬・パチンコ等、明らかにギャンブルとされているものよりも、FX取引のような「投資まがい」へ金銭をつぎ込むほうが、損をしたときの喪失感が多く、これを取り返そうとして深みに嵌る可能性が大きいようである。

 

  いずれにしても、嵌まってしまうことで破産に至る浪費の類型について紹介してみた。

 

(※)アイドルの追っかけで金銭的なリターンはないが、アイドルを応援することで彼らに顔を覚えてもらえたり、アイドルがメジャーデビューするといったことが,彼女たちへのリターンとかんがえられる。

 カテゴリー : 法律

債務整理事件における弁護士の面談の必要性(追記

 弁護士が債務整理事件(任意整理、自己破産、個人再生手続など)を受任するに当たっては依頼を受ける弁護士が、直接依頼者と面談しなければならないのが原則とされています。

 

日本弁護士連合会・債務整理受任のルールについて
https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid/saimuseiri.html
債務整理事件処理の規律を定める規程
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_93r.pdf

 

 このことからすれば、全国展開している事務所であっても、依頼者とは直接面談するのが原則であり、やむを得ない場合のみWEBやメール等の手段で連絡を取ることが容認されているのみです。

 

 当職が聞き及ぶところによると、受任後も含めて実際の面談を行わず債務整理事件を処理している法律事務所があります。また事務所での面談を行うものの弁護士自身はあいさつ程度で終わり、実際の事件内容の聴取は専ら事務員に任せているところもあるようです。

 

 こういった事務所が顧客のために債務整理を適切に行えていないとは限りませんし、実際に債務整理をお願いした方にとって満足のいく解決であったケースもあるでしょう。

 

 しかしやはり弁護士会の規定を遵守していない法律事務所に依頼されることは、以下のデメリットがあると思います。

1 実際に弁護士が面談していないことで,依頼者に連絡や報告が

 十分になされず、実際の債務整理の内容が把握できないまま、支払を

 継続する危険性があること。
2 弁護士が債務整理を担当しない事務所では非弁提携の可能性

  があり、その弁護士が弁護士会から業務停止等の懲戒を受けた場合、

  支払がストップしてしまう危険性があること。

 

 結局、弁護士が面談しないことで依頼者が自分の債務整理について残債務の状況や解決内容(破産申立が進んでいるのか、任意整理の場合どこまで支払いが完了しているのかと言ったような点について)について十分に把握できなくなったり、弁護士が懲戒にかかると依頼者の業務もストップしてしまいますので,これらの危険性をはらんでいることからすれば、債務整理(任意整理のみならず、自己破産や個人再生も含めて)を依頼される方は実際に弁護士自身が面談してくれる事務所へ依頼されるべきだと思います。

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