破産に陥りやすい、第5は「いわゆる『意識高い』人」である。
ここでいう「意識高い人」というのは、
現在の自分の収入に飽き足らず、「副業」や「不労所得」
で収入を増やそうとする人たちのことを指す。
もちろん、なかなか正規労働でも給料が伸びない現状で
副業などから収入を増やそうとすること自体は
何ら責められるべきことではない。
むしろ、
働き方改革の叫ばれる現在においては、
残業代を期待して一つの勤務先で長時間働くよりも、
定時で仕事を切り上げ、余った時間で
他の収入を得ることを考える方が有意義なのだろう。
ただ、
こういった「副業」や「不労所得」にはリスクがつきまとう。
特に、副業とされるものの中には,個人情報と引き換えにしなければ
ならないものもあると聞くし、最初に一定の「投資」が必要な
ものも多い。
例えば、
家賃収入を得られるとの触れ込みでマンション購入をするには
当然購入代金等の資金が必要である。
その資金を、貯金などの自己資金ではなく借り入れでまかなおうと
する人たちが必ずいるのである。
こういった収入は、
利回り(購入資金を家賃から何年で回収できるか)を考慮して、
投資として魅力があるかを検討すべきである。
ところが、こういったことを全く考えずに、不動産業者の言われるままに
マンション購入する人たちがいる。
そもそも、
資金調達を借金でまかなっている場合は、
収入から借入金(利息も含めて)の返済が可能かどうかも
考慮しなければならない。
収入にばかり気をとられ、借金の返済を考慮していないわけである。
中には、毎月のローンの支払額よりも
月の家賃額の方が少ないマンションを購入させられていた
人もいた。
これでは、なんのためにマンション投資をしたかわからない。
さらに、
これらの「不労所得」を謳う「投資」には
明らかに詐欺であるものも見受けられ、この場合お金は
まず戻ってこない。
中には「投資」の内容も聞かずに、ただ友人からの勧誘だから
というだけでそれに応じて、手持ち資金もないのでサラ金から
の借入金をそのまま渡して逃げられてしまうというケースもある。
この場合でも借金は残るわけであって、
投資先からの還元はなくても支払っていかなければならない。
これらの事例からは、
収入を得ようとする姿勢は結構だが、
投資や副業の内容をキチンと理解すべきであるし、
なによりそのための原資を借入でまかなうことは
厳に慎むべきである。
借入金の利息より高利回りの投資などない、
と考えておくべきだろう。