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葬儀料金の不当表示の事例

株式会社やまとセレモニーに対する景品表示法に基づく措置命令について

・・・これによると、
「会員向けに割引価格で葬儀サービス等を提供する会員制度」の会員募集のパンフ等に、
 「会員になれば、追加費用を請求することのない定額の葬儀サービス(本件パック)を提供する」旨表示をしていた。

ところが実際には、本件パックの価格には、

1 料理に係る費用が含まれているにもかかわらず飲料に係る費用が含まれていない
2 葬儀の受付、棺の運搬等大半の葬儀で必要とされる作業に係る人件費等が含まれていない。
などとなっており、
会員となって本件パックを利用した者の大半は、本件パックの価格を上回る費用の支払いを余儀なくされていた。
というものである。

・・・葬式の価格というのはなかなか予想がつきにくいものである。
こういったパック料金のシステムが消費者にとってメリットがあるとすれば、予算の見通しがつきやすいということだろう。
ところが、実際には葬儀において通常支出される項目であっても、パックに含まれないものがあれば、パックを申し込むことが、
他の葬儀代に比較しても消費者にとって見通しどおりの商品とはいえず、ことさら有利なものとはいえない。
そうだとすれば、実際にはパック料金に含まれない項目が生じることはできるだけ避けるべきだし、それが困難なら、表示上もそう言った料金が含まれないことを明示することが必要だろう。

本件では、
「お返し品、料理、精進料理まですべて入った追加・オプションの必要ない県内初の総額パックです。」
「当社のパックは返礼品や食事まで、必要な物がすべて揃っておりますので追加のオプションの心配がありません。最終価格は
返礼品・通夜料理等の人数をお客様が計算いただければいつでも分かります。」
といった表示がなされていたとのことである。

たしかに表示では、前述1,2の料金が含まれないことなどが明示されていない。
およそ葬式など普段からひんぱんに行うわけではないから、こういった項目が当然に想定できる消費者など通常はいないと考えるべき
であって、こういった表示が消費者に誤解を招くものであることは否定できないだろう。

その見地からすれば、本件で、消費者庁が有利誤認を理由とする措置命令を出したことは、当然といえよう。

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