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平成23年度不動産広告の違反事例について
RETIO 2012年7月号(86号)に掲載されていた「平成23年度不動産広告の違反事例」なる報告論稿が興味深かったので、紹介しておく。
(平成24年8月3日現在、(財)不動産適正取引推進機構のホームページには、まだアーカイブが掲載されていなかった。)
不動産の広告に関しては「不動産の表示に関する公正競争規約(以下「表示規約」)」による規制がなされているところ、これに違反した広告表示のうち、(社)首都圏不動産公正取引協議会が厳重警告・違約金の追徴をした事例を紹介している。
この論稿によると、平成23年度は48件の違反事例について、同協議会が厳重警告・違約金を課したとのことである。
各事例については、以下の4つの分類で整理がなされている。
- 1 広告表示の開始時期の制限の違反事例
- 宅地の造成工事または建築工事の完了前の広告が、建築確認等が未了にもかかわらずなされた事例が取り上げられている。
- 2 取引条件にかかる不当表示事例
- 実際の物件の代金・賃料等が、事実と異なる表示がなされている事例が取り上げられている。
- 3 取引内容にかかる不当表示事例
- 広告物件について、実際の専有面積や駅からの徒歩所要時間などとは異なる表示がなされている事例が、取り上げられている。
- 4 おとり広告の事例
- すでに売却済みなど、広告時点で取引の可能性がないにも拘わらずあたかもその物件が募集をかけているかのような表示がなされているものの事例が取り上げられている。
厳重警告・違約金が課せられた紹介事例は、どの類型も、一見して明らかに不当表示と評価される極端な事例ばかりであるが、未だに不動産業界の一部では見受けられるようであることからすれば、こういった報告が定期的になされることが、健全な業界発展には必要であると思われる。