広告塔とサクラは違う。
今度、高校へネットトラブル関連の出張授業に行くことになったので、ペニーオークションがらみのネット記事を検索していたら、やや古い記事なのだが、こんなのがあった。
東野幸治、ペニオク騒動をバッサリ!「タレントなんてそんなもん」
この記事によると、東野幸治は
「でも読んでる人もウスウスみんな分かってたんじゃないですかね。『宣伝してどうせお金をもらってんだろ?』って」
等と述べていたとのことである。
要するに、彼の主張は
「タレントの場合、広告塔に過ぎないのだから、一般人もサクラだと分かるはずだから、問題ないのでは?」
と言う趣旨であると理解できる。
しかし彼は、「サクラ」と「広告塔」の違いを理解していない。
確かに、タレントは、自分のパブリシティ(名声、評判、知名度)を利用することで、商品に注目を与えることができる存在である。
だからこそ、商品などの広告に起用されるのであって、広告塔としての立場に立つこと自体には、原則として問題はない。
広告というものが、商品の注目度やイメージを高めるためであって、そのためにタレントのパブリシティに乗りかかるのも
一つの手段だからである。
しかし、そもそもペニオクは、
およそ落札できないにもかかわらず、落札できると信じ込ませて、入札を繰り返させ、不当な利益を得ようとするものであって、
明らかに詐欺なのである。
そして、オークションに参加したわけでもないのに、自らも参加して落札したなどと申し述べる行為は、
タレントかどうかにかかわりなく、「サクラ」として参加するのは詐欺に加担する行為なのである。
すなわちこれは、単にタレントの知名度のみを利用したのではなく、タレントの虚偽の行為を利用したのであって、
これは明らかに広告塔としての立場を逸脱していると言わざるを得ない。
一般人が行っても犯罪に加担する行為であるのに、その知名度から社会的な影響の大きいタレントが加担するのは、
違法性が大きいことは言うまでもないだろう。
したがって、今回の騒動について、当該タレントの行為はとうてい容認できるものではない。
以上述べたように、
東野君は残念ながら心得違いをしていると言わざるを得ない。
少なくとも、タレントさんには、
「サクラと広告塔は違う」
と言うことぐらいは認識しておいてもらいたい。