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ギャロップレーサー事件最高裁判決(パブリシティ権の判例10)

いわゆる、モノのパブリシティ権を否定した判例である。
事案としては、競走馬の馬主ら(X)が、当該競走馬の名称を無断で使用したゲームソ フト(ギャロップレーサー、ギャロップレーサーⅡ)を
製作、販売したゲームソフト会社 (Y)に対し、当該ゲームソフトの販売差し止め及び損害賠償を求めたものである。
1審(名古屋地裁)、2審(名古屋高裁)とも、顧客吸引力を根拠にパブリシティ権侵害を認めてXの損害賠償請求を認めた
(差止請求は否定)。
これに対して最高裁はモノのパブリシティ権を否定を否定し、Xの請求をすべて棄却したのであるが、この判決により、この論点については
実務上決着したといえる。

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従来、この論点については、判例・学説共に否定・肯定の両見解が対立していたが、そ の対立はパブリシティ権の法的性質、すなわち
この権利が人格権に由来するのか、人格権 とは独立した財産権なのかと言った点に関連して議論されてきた。
人格権由来の権利であることを強調する立場はモノのパブリシティ権を否定するのに対 し、財産権としてとらえる立場はモノの
パブリシティ権を肯定するものが多い。
ところが、最高裁は、モノのパブリシティ権を否定するにあたって示した論拠では、この点にふれていなかった。

 すなわち、最高裁の論拠をきわめておおざっぱに言えば、

 (1)各競争馬の名称に対する保護は、競走馬に対する所有権からは生じず、競走馬の名称を勝手に用いても所有権侵害にはならない。

 (2)物の名称の使用などに関しては、商標法、著作権法、不正競争防止法などの法律により、一定の要件の下で保護しており、これらの
    法律による保護とは別に法令等の根拠もなく、排他的な権利を認め、あるいは無断利用行為を不法行為とすることはできない。

というものであり、ここではパブリシティ権の法的性質(人格権由来の権利か、独立した 財産権か)にはまったくふれていなかった。
本件でなぜ最高裁が法的性質について言及しなかったのかはわからないが、ピンクレデ ィ事件において同権利が人格権に由来するもの
であることを明言したことと、本件が矛盾しないことを指摘しておくにとどめる。


【事件名】
 ギャロップレーサー事件

【裁判所・判決日】 
 最高裁H16.2.13

【出 典】
 判時1863-25

【結 果】
 パブリシティ侵害を否定(モノのパブリシティ権を認めなかった)
 (原判決破棄、請求棄却)

【被侵害客体】
 競走馬の名称

【侵害態様】
 競走馬の名称をゲーム中に使用したソフトを製造、販売

【備考・その他】
 パブリシティ権否定の根拠に同権利の法的性質論にふれず。

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