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年末年始 餅での窒息事故に気をつけて

クリスマスも開けると、早や新年だが、国民生活センターが警告するぐらいだから、正月に頻発する事故なのだろう。、

 

年末年始 餅での窒息事故に気をつけて

http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen209.html

 

ご高齢の方の居られる世帯は,くれぐれも気を付けられたい。

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何が問題か?・・・「会いたい」騒動

久しぶりの更新である。

 

 さて、歌手の沢田知可子が、自身のヒット曲「会いたい」の替え歌を歌ったことが、この曲の作詞家から不興を買い、訴訟沙汰になっているそうだ。

 

「会いたい」騒動顛末 作詞家・沢ちひろVS歌手・沢田知可子 「おふくろさん」の再来か http://www.sankei.com/entertainments/news/141211/ent1412110001-n1.html

 

 記事によると、「会いたい」という曲の詩は、当該作詞家が、小学生のころに亡くなった母親を思って書いた詞だそうで、思い入れがあるとのこと。

 

 これに対して、作詞家が沢田の以下の点を問題視したらしい。

 1、これを沢田が自分の体験談のように話している

 2、沢田がアルバムにする際、勝手に英語の詞を付け加えた(現在アルバムは販売中止とのこと)

 3、バラエティー番組で、替え歌「安定したい」を歌った

 

 このうち、1,2は事実関係がはっきりしないのでおくとして(仮にその通りだったとして、1については、作詞家のどういった権利が侵害されるのか、私には理解しかねる。2は微妙か。)、訴訟沙汰になる問題は3ということになる。

 

 この点、替え歌が、作詞家の「著作者人格権」を侵害したとして、慰謝料請求がなされたとすれば、一応検討に価する。

 

 すなわち、著作物(この場合は「会いたい」の詞の部分)については、著作者には著作権とはべつに「著作者人格権」が発生する。

 

 著作者人格権というのは、第三者による著作物の利用形態によっては、著作者の人格的利益を侵害する恐れがあることから認められた権利であるとされている。

 

 具体的には、以下の内容を有する権利だとされている。

 

 ア 公表権・・・著作者がまだ公表されていない自分の著作物を公表する権利

        (言い換えると公表するかしないかを決めることが出来る権利)

 イ 氏名表示権・・・著作物を公表するに当たり、氏名を表示するかしないか

        (実名にするか変名にするかも含め)を決めることが出来る権利

 ウ 同一性保持権・・・著作者の意に反して、著作物の改変をすることを禁止

              する権利

 

である(要約。著作権法第18条ないし第20条参照)

 

  ここでは、沢田がうたったのは「替え歌」ということである。なるほど、替え歌だからもとの歌を「改変」した以上、同一性保持権が問題になりそうである。

 

  しかし、よく考えると、替え歌は「もとの歌を改変した」といえるのであろうか。

 

  まず、ここでは、あくまで「会いたい」の歌詞が問題となるのであって、曲は関係ない

   (ちなみに「会いたい」の作曲は財津和夫)。

 

  同一性保持権が問題となるのは、元ネタに勝手に付け加えたり、削ったりするアレンジを禁止するものであるが、全く違う歌詞は、元ネタへの付け加えや削除を行っていない。

 

 そうすると、詞自体がもとの詞をアレンジしたものならともかく、全く違う歌詞に「置き換えて」歌うことは、「歌詞の改変」とは言えないのではないだろうか。

 

 もっとも、「会いたい」の場合、曲とか詞が一体として知られていることから、全く違う歌詞を付けて歌うこと自体が「曲全体」の同一性保持権の侵害だというのであろうか。

 

 しかしそのようなことを言い出すと、インストォルメンタルで売られている曲は同一性保持権を侵害しているのか?と言うことになるし、着メロなんぞ大変なことになる。

 

 したがって、沢田の替え歌の詞が「会いたい」の歌詞のもと部分を明らかに改変したものでないかぎり、件の作詞家の「著作者人格権」は侵害していないと、考えるが、いかがであろうか。

 

  さらに、著作権法は、

 「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。」

 (113条6項)

と規定しており、著作物の利用形態によっては、著作者人格権の侵害とされる場合がある。

 

 しかし、替え歌の詞が元歌の詞と全く違う以上、「その著作物を利用」したとは言えないだろう。

 

 結局、件の作詞家が「会いたい」の詞を作った経緯がいかなるものにせよ、全く異なる詞を用いて曲を歌ったことを法的に追求することは困難であると考えるが、さて、この訴訟(本当に訴訟が提起されているのか疑問であるが)の帰趨については、興味深く見守りたいと思う。

 

                                                    (尾崎博彦)

 

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