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藤岡弘事件(パブリシティ権の判例9)

・・・いささか古い裁判例である。

藤岡弘と言えば、私などの世代からは圧倒的に「仮面ライダー」の人なのだが、それ以降も数々のドラマや映画に出演されており、
その枠にとどまらないきわめて著名な俳優さんである。
この人が、以前にパブリシティ権関連の裁判の当事者となっていたのを知ったのは最近のことであり、ふるい判例とはいえ、
あらためて自分の不勉強に恥じ入るばかりである。

さて、事案であるが、以下の概要である。

第1 事実の概要
1 もともと、X(藤岡弘)と訴外A(株式会社ベガクラブ)との間に、Aの直営店及び加盟店、そのチェーン店の販売する商品の宣伝広告の
  ために、専属キャラクターとして出演する旨の広告出演契約を締結していた。

2 Yは、訴外Aの会員(チェーン店?)であり、AX間の広告出演契約の契約期間中はYはAに対し、その利用負担金を支払っていた。

3 AX間の広告出演契約の期間は昭和55年末までであり、それ以降契約は更新されていなかった。にもかかわらず、YはXの氏名及び
  肖像を使った新聞広告、ちらし、テレビコマーシャルなどの宣伝広告をしていた者である。

4 XはYに対し、3の行為により、財産的損害及び精神的損害を被ったとして損害賠償請求をした。

第2 判決(富山地裁S61.10.31)

本件の主たる争点は、YがAX間の契約が終了していたことをしりながら、なおXの肖像を宣伝広告に利用していたか否かという点である。

この点、本判決では、Yにおいて、広告出演契約が失効していたことを知りながら(つまり宣伝広告にXの氏名及び肖像を使用できないことを
知りながら)、あえてこれを行ったものと推認される、とし、Yの肖像等の無断使用行為をXに対する不法行為であるとした。
具体的な損害としては、経済的損害のほか、精神的損害も認めた。

第3 コメント

1 本件では、パブリシティ権という用語はもとよりその内容などについて一般論としてはほとんどふれていないが、著名人が
  その氏名・肖像を対価を得て第三者に専属的に利用させる利益を有することは当然の前提とされている。

2 そして、本件は、後の裁判例の積み重ねによりパブリシティ権の侵害とされる類型としては、ほぼ疑問の余地のない侵害類型であった
  といえる。

3 一方、著名人のかかる利益(=パブリシティ権)がいかなる性質のものかは本判決においては、ほとんど分析されておらず、
  したがって、本判決ではXの経済的損害とともに精神的損害も認めているが、後の裁判例の蓄積やピンクレディ判決がでた現時点に
  おけるパブリシティ権の理解としては、精神的損害が認められる余地はないものと思われる。


【事件名】
 藤岡弘事件
【裁判所・判決日】 
 富山地裁S61.10.31
【出 典】
 判時1218-128
【結 果】
 パブリシティ侵害を肯定
 (損害賠償請求一部認容)
【被侵害客体】
 肖像、氏名
【侵害態様】
 肖像等を使った新聞広告、ちらし、テレビコマーシャルなどの宣伝広告
【備考・その他】
 1 パブリシティ権侵害を肯定
 2 慰謝料請求(精神的損害)を肯定(ただし根拠不明)

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